2020 Fiscal Year Research-status Report
家庭用ACアダプタのグラウンド端子の持つ電圧を用いた静電摩擦触覚ディスプレイ
Project/Area Number |
19K20317
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
加藤 邦拓 東京工科大学, メディア学部, 助手 (00838922)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 触覚ディスプレイ / モバイルデバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
静電摩擦を用いた触覚ディスプレイは,静電気力を用いることで表面の滑らかな物体上のテクスチャを制御する技術として着目されている.一方で既存の静電摩擦を用いたディスプレイは電源装置から供給される数百ボルト以上の高電圧を必要としており,日常的に活用されているデバイスへの適用が困難であった.研究代表者はこれまでに高電圧電源を使用せず家庭用のACアダプタの持つグラウンド端子に,薄い絶縁層を持つ電極を接続することで同様の静電摩擦触覚を提示できるこ とを発見した.本研究は,この触覚提示手法を用いた触覚ディスプレイ開発し,その制御とモバイルデバイスへの実装を検討する.
2020年度は主に,デバイスの改良と評価実験について検討した.研究計画当初に投稿・発表を検討していた国内・国際会議の殆どが中止/オンライン開催に移行してしまったため,出張費用として計上していた予算を物品・消耗品費用に充て,複数種類のモバイル端末上への触覚ディスプレイの実装を行った.また,フォトモスリレーによって触覚提示のON-OFF制御を行うことで,複数の異なる触覚を提示可能なシステムを実装しプロトタイプデバイスへ組み込んだ.また並行して,実験のために必要な機材の準備も行っている.しかし,COVID-19の影響により,ユーザを対象とした実験を実施することが困難であったため,研究計画の遂行に支障が生じており,国際会議・ジャーナル論文への採択には至っていない状況である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は主にプロトタイプデバイスの改良,及び評価実験の実施検討を行った.昨年度の段階では,人を対象としない性能評価の実施を検討していたが,本研究は人間の触覚に働きかけるデバイスの開発を主目的としていることから,ユーザを対象とした実験は必須であと判断した.しかし,COVID-19蔓延の影響により,人を対象とした実験を実施することが困難となり,当初の研究計画に遅れが生じている.そのため現状ではまだ国際会議・論文誌での採択・発表には至っていない.
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度までの作業によりプロトタイプデバイスの実装・改良は概ね完了している.2021年度は引き続き,ユーザを対象とした実験の実施検討,および国際会議・論文誌への投稿を行なう.実験については,機材の接触による感染症対策を徹底し,被験者ごとに消毒が完了した機材を提供した上で実験を行なう.また場合によっては,対面での実験実施は控えオンラインでの実験についても検討する.
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により,人を対象とした実験の遂行に遅れが生じたため,現状,国際会議・論文誌への採択に至っていない.本研究課題を延長し,2021年度も引き続き実施するための費用を計上している.具体的には,国際会議・論文誌への投稿,採択時の費用および,デバイス改良・アプリケーション開発用の物品費用としての使用を予定している.
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