2022 Fiscal Year Annual Research Report
家庭用ACアダプタのグラウンド端子の持つ電圧を用いた静電摩擦触覚ディスプレイ
Project/Area Number |
19K20317
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
加藤 邦拓 東京工科大学, メディア学部, 助教 (00838922)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 触覚ディスプレイ / 静電摩擦 / タッチインタラクション / ユーザインタフェース |
Outline of Annual Research Achievements |
静電摩擦を用いた触覚ディスプレイは、静電気力を用いることで表面の滑らかな金属面のテクスチャを制御する技術として着目されている。一方で既存の静電摩擦を用いたディスプレイは電源装置から供給される数百ボルト以上の高電圧を必要としており、日常的に活用されているデバイスへの適用が困難であった。研究代表者はこれまでに高電圧電源を使用せず家庭用のACアダプタの持つグラウンド端子(以下、GND)に、薄い絶縁層を持つ電極を接続することで同様の静電摩擦触覚を提示できることを発見した。本研究は、触覚提示手法によるモバイルデバイスのユーザビリティ向上を目的とし、静電摩擦触覚ディスプレイを代表とする、触覚提示手法をモバイルデバイス上に実装する方法について検討する。研究期間を通じ、市販のモバイルデバイス上に開発した触覚ディスプレイを設置することで、充電ケーブルと ACアダプタを接続するだけで触覚を提示することが可能なデバイスのプロトタイプを開発した。開発したプロトタイプでは、GNDとユーザがタッチ操作を行う電極部分の経路をリレーにより一定間隔で電気的に切断することでユーザが感じる触覚を変化させる。触覚ディスプレイ自体の改良も重ね、4×4のグリッド状に分割された電極を用いることで、電極上のタッチ位置の検出を可能とした。 更に本研究では、モバイルデバイスの画面上だけでなく、画面外に触覚提示インタフェースを拡張する手段についても検討を行った。多数の細い線系電極を用いることで静電容量方式のタッチディスプレイを拡張し、QWERTY配列のキーボードやゲームコントローラなどの触覚フィードバックのあるインタフェースを実現した。最終年度には、触覚フィードバックを持つインタフェースのユーザビリティに関する評価を行い、国際会議にて発表を行った。
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