2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K20319
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岡地 祥太郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (30742407)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 気管支鏡 / 眼鏡型ウェアラブル端末 / 遠隔医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
医療現場においてICTを活用した勤務環境改善が必要とされている。本研究はメガネ型ウェアラブル端末を用いた気管支鏡検査の支援方法の確立を目的とする。検査中術者は主に内視鏡画面をみながら操作を行うが、他にCTやX線透視画像、生体監視モニターなどの情報を参照するために多数のモニター(ディスプレイ)が必要となり、視線移動が大きい。ディスプレイとしての機能を利用し、外部デバイスからの医療情報をメガネ型端末から術者視野に表示させ、その有用性、問題点について解析を行うことを目的とした。本年度は、まず医療用のディスプレイの精度を落とすことなく表示させるために、両眼視・ノンシースルー・オーバーグラス可のタイプの眼鏡型端末を選定し、購入した。シミュレーションモデル(気管支模型)を使用し、肺結節に対する仮想気管支鏡画像を匿名化してこれを参照しながら気管支鏡検査を行った。装着感、視野、検査の実行や操作性に関し特に問題はなく、機器のトラブルもみられなかった。ついで実際に検査を行う部屋で電子カルテ端末や内視鏡光源装置に接続し、眼鏡型ディスプレイで正しく画像が表示されることを確認した。今後はX線透視装置との接続を確認し、表示が可能であれば、スイッチャーを用いて電子カルテ、内視鏡画面、X線透視を適時入れ替えて表示させる。これができれば倫理審査を経て臨床試験を開始する。臨床試験では通常ディスプレイ群と眼鏡型ディスプレイ群において、術者の満足度、検査の診断率、合併症、機器の安全性などについて比較検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床研究に進むための段階を経て大きな遅延なく来ている(最近はCOVIDの影響で企業との打ち合わせ、デモの機会が遅延している)。
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Strategy for Future Research Activity |
ディスプレイとしての有用性、安全性が確認できれば、次にはカメラを備えたスマートグラスを用いた気管支鏡検査の遠隔支援システム の構築を行う。術者の見ている画面がリアルタイムで遠隔地にいるエキスパートや上級医の PC画面に表示され、オンラインで音声や画面を通じた支援、指導を受ける。
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Causes of Carryover |
ディスプレイとして表示させるのに必要な機器を選定しているところであるため(コンバーター、スイッチャーなど)。次年度はこれらの購入に加え、遠隔支援にむけた通信設備の構築、発表にむけた論文制作費用、学会出張費などが計上される見込み。
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