2019 Fiscal Year Research-status Report
左右鼻孔間距離の能動的操作によるニオイ源定位能力拡張システム
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19K20329
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
永谷 直久 京都産業大学, 情報理工学部, 准教授 (10636418)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 嗅覚知覚 / 能動的嗅覚 / 鼻孔間距離 / 軌跡計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度である2019年度では,モーショントラッキングシステムを用いて両手先に鼻孔があるように調整し,バーチャルに鼻孔間距離および位置を動的に変化させてニオイを提示するシステムの開発と予備的な評価実験を行った.評価実験では鼻孔間距離を動的に変化させた条件での知覚特性と,ニオイ源の探査行動(手先の運動軌跡)がどのように変化するのかを評価し,移動軌跡の解析から鼻孔間距離が狭いほうがニオイ源の追跡をしやすい傾向があることが示唆された.一方で,エアポンプおよびチューブなどで構成されたニオイ提示装置に由来するニオイ提示までの時間遅れを軽減するための対策や,実験中に滞留するニオイ物質の除去などに関して,改良すべき点があることも明らかとなった. これらの問題点を解決するために,装置の時間遅れを加味した移動軌跡からの予測制御や装置構成の改良を試みる予定である. さらに,本研究課題を遂行するための基盤技術である,エアポンプを用いたニオイ提示制御システムおよびモーショントラッキングシステムを用いた実験環境構築,移動軌跡計測と解析手法の確立という3つの取り組みにおいてそれぞれ応用研究の成果を挙げることに成功した.具体的には,エアポンプを用いた空気圧制御による摩擦力提示インタフェースの開発,モーショントラッキングシステムを用いた人の歩行方向制御装置の開発と評価,オカダンゴムシの移動軌跡解析による走光性の評価などを行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画で予定していた通り,バーチャルリアリティ(VR)環境における実験環境の構築とモーショントラッキングシステムを用いた移動軌跡計測システムの統合はおおむね完了した.しかし,どのようなニオイ物質を用いるべきかを含めた実験条件の詳細な検討は行えていないため,今後行っていく予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる2020年度では,VR環境だけではなく実空間での実験を計画しており,まずはどのようなニオイ物質を用いて比較すべきかなどの実験条件の検討を行う.コロナ禍の影響により,十分な研究実施体制を構築できるかの見通しは不透明であるが,所属組織の倫理委員会等と実験に関して再度議論し,研究を進めていきたい.
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Research Products
(5 results)