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2019 Fiscal Year Research-status Report

敵対的生成ネットワークを用いたノイズ除去手法の開発と生体信号への応用

Research Project

Project/Area Number 19K20334
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

堀江 和正  筑波大学, 計算科学研究センター, 助教 (60817112)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords機械学習 / 敵対的生成ネットワーク / 生体信号処理 / ノイズ除去
Outline of Annual Research Achievements

初年度では,本研究で対象とする乾式電極で計測した筋電位信号のデータセットができていない.そこで,他の研究で使用しているマウスの睡眠時脳波を対象としたノイズ除去モデルの開発を行った.マウス睡眠時脳波は睡眠の基礎研究においてよく解析の対象となっており,解析精度の観点からノイズを除去する需要がある.特に,身体動作に由来するノイズのような,非定常のノイズを除去する必要がある点,ノイズを単体では計測できない点などが,乾式筋電位信号と一致している.
ノイズを単体で計測できず,お手本となる入出力信号を得られないことから,一般的な教師あり学習の適用は困難である.本研究では,これらの教師データを用いることなく2つのドメインの信号変換を学習できる敵対的生成学習に着目し,プロトタイプモデルNR-GANを開発,そのノイズ除去性能を検証した.
本モデルの開発に際しては,「ノイズは信号に比べて小さい」ことを前提とし,「なるべく入力信号を変化させずに,真信号に似た信号に変換すること」で,GANによるノイズ除去を達成した.本モデルでは,確かに理想的な入出力のお手本を用いることなく,ノイズ除去の獲得に成功したが除去性能はノイズに合わせて最適化した周波数フィルタと同程度であり,まだ改善の余地が多い.また,非定常のノイズに対して,安定したノイズ除去ができないという問題があることが分かった.
さらに,「なるべく入力信号を変化させず」という条件にも問題がありそうだ.真信号にもかなりのバリエーションがあるため,真信号によく似たノイズも相当数含まれている.専門家であれば,睡眠の時系列等からノイズであることを判断できるが,現状のモデルで似た判断は困難である.
以上を踏まえ,本研究では当初の予定通りノイズ除去のプロトタイプモデルについては一応完成し精度評価も完了した.一方でその性能については改善すべき点が多いといえる.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

ノイズ除去モデルのプロトタイプモデルが完成し,シミュレートしたノイズに対する除去性能を検証できている.少なくとも,ノイズの無い生体信号サンプルが一定数あれば,他の知見なくノイズ除去できており,既存手法に対する有用性も主張できると考えられる.
一方で,乾式電極由来ノイズを含めた,実在ノイズでの精度検証についてはやや遅れている.被験者の募集がうまくいかず,深層学習に十分な生体信号記録を計測することができなかった.また,今回のCovid-19パンデミックのために,今後も十分な実計測サンプルは集められない可能性が高い.本研究で独自に生体信号を計測することはあきらめ,オープンソースのデータセットを利用したり,過去に他のプロジェクトで計測した生体信号を使うことを検討したい.

Strategy for Future Research Activity

まず,研究の対象を,他研究プロジェクトで開発中の家庭用睡眠計で計測した睡眠時脳波及びノイズに変更する.本家庭用睡眠計は,湿式電極を使用しており,当初の予定であった乾式電極由来のノイズを正確に再現することは難しい.しかしながら,電極の浮きや汗の混入といった乾式電極で起こりうるノイズをこちらの睡眠計でも確認している.これらのノイズに対する除去性能を調べることで,乾式電極ノイズへの応用可能性は検討できる.また,家庭内で計測する睡眠記録の方が,「どのようなノイズが含まれるか」が予想しづらく,Hand-Engineeredな手法で対応が難しい.本研究のような深層学習によるノイズ除去に適した問題と考えられる.
また,本睡眠記録は,どの部分にどのようなノイズが含まれているか,睡眠臨床医による判定が行われている.また,各電極のインピータンスの記録を含んでおり,電極の浮きや汗の混入を判断できる.ノイズの種類を分類したうえで,それぞれのノイズに対する除去性能の解析が可能となることから,研究対象の変更はメリットが大きいと考える.
モデルの開発に関しては,ジェネレータ(ノイズ除去信号の生成部)の層数・層構成について検討を進める予定だ.特にAttentionやSPADEといった操作適用範囲のマスキングを行う層の追加を行うことで,非定常のノイズに対する適切な処理を学習・実行可能と考えている.
また,生体信号を一度潜在表現ベクトルに変換することを検討している.現在は入出力の差分が小さくなるように最適化しているが,潜在表現空間上での距離を小さくするように変更することで,より適切なノイズ除去が達成できるのではないかと考えている.

Causes of Carryover

被験者を集めることができなかったため,被験者謝礼,ディスポ電極の購入費の大部分が未使用のままになっている.また,研究発表を行った国際会議が名古屋で開催されたこと,Covid-19のために参加予定だった国際会議が中止/オンライン開催となり,旅費を消化できなかった.
昨今の事情を鑑みるに,被験者の募集や旅費としての予算仕様は困難であると考える.また,在宅環境における計算力の増強としてAWSの利用費として予算を使用する予定である.

  • Research Products

    (1 results)

All 2019

All Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] NR-GAN: Noise Reduction GAN for Mice Electroencephalogram Signals2019

    • Author(s)
      Yuki Sumiya
    • Organizer
      2019 4th International Conference on Biomedical Imaging, Signal Processing (ICBSP2019)
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2021-01-27  

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