2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K20383
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
齋藤 早紀子 日本工業大学, 共通教育学群, 講師 (40838306)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 歩行 / 審美性 / 運動学 / 感性評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨今の健康ブームから、ウォーキングに代表されるような“歩くこと”は注目を浴びている。こうしたブームの広がりに伴い、全国各地で歩行教室やウォーキング教室が開催され、そこでは、「美しく健康的に」「正しい姿勢で」歩きましょうといった謳い文句がみられる。しかしながら、美しい歩き方については、科学的に検証されているとは言い難い。多くの運動では、その良し悪しが明確であるが、歩行の審美性については、基準となる尺度が、これまで検討されてこなかった。これまでの取り組みでは、美しさが見る者の主観によるという観点が抜け落ちていた。本研究は、美しいと思われる歩行の指導法を確立するための第一ステップとして、第三者から美しいと思われるように歩くための運動学的機序を解明することを目的とする。 本年度は、若年女性を対象に、歩行の審美性と運動学的特徴とを関連付けることを目指した。具体的には、審美性を評価するための用語を選定し、その再現性を検討した。当初予定していた方法では、用語の十分な再現性が確認できなかったことから、動画の提示方法、動画に用いる対象、用語の選定方法を再検討した。具体的には、新たな提示画像を作成するために、情報収集をし、作成手順について講習をうけた。提示画像については、対象を若年女性と絞ることとした。また、用語の妥当性を検討するのための動画を取得し、計31名の動画を取得した。さらに、30名の被験者を対象に、印象評価実験を行って、用語を分類するための実験を行った。 また、次年度行う予定であった運動学的特徴を解析するためのプログラムを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の所属変更にともない、他の業務のエフォートが増大したために、本研究に避けるエフォートが減少した。また、当初想定していた方法では用語の十分な再現性が得られず、予定になかったアニメーションの作成を行ったことで遅れが生じている。しかしながら、用語を選定するための新たな実験を開始し、次年度で行う予定であった解析プログラムの作成に着手できたことで、今年度生じた遅れはわずかなものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究遂行上、用語の再現性が得られないという課題が生じた。この課題を解決するために、新たに作成したアニメーションや取得した動画を利用して、初年度に引き続き、使用する用語の再現性や妥当性を検証する。当初より解析に当てられる期間は短くなるが、すでに作成したプログラムを使用することで当初の予定通り進行可能といえる。
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Causes of Carryover |
実験計画が変更となったたため、研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したが、当初初年度に使用予定であった機材の購入を控えたこと、実験に要する時間が短縮したために謝金額が減少したことで、残額が生じた。
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