2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K20383
|
Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
齋藤 早紀子 日本工業大学, 共通教育学群, 講師 (40838306)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 歩行 / 審美性 / 運動学的特徴 / 感性評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨今の健康ブームから、ウォーキングに代表されるような“歩くこと”は注目を浴びている。こうしたブームの広がりに伴い、全国各地で歩行教室やウォーキング教室が開催され、そこでは、「美しく健康的に」「正しい姿勢で」歩きましょうといった謳い文句がみられる。しかしながら、美しい歩き方については、科学的に検証されているとは言い難い。多くの運動では、その良し悪しが明確であるが、歩行の審美性については基準となる尺度が、これまで検討されてこなかった。本研究は、美しいと思われる歩行の指導法を確立するための第一ステップとして、第三者から美しいと思われるように歩くための運動学的機序を解明することを目的とする。 はじめに若年女性を対象に、歩行の審美性を評価するための用語を選定した。因子分析の結果5つの因子から9つの用語が選出され、これらの語は先行研究よりも日を変えて評価を行った際の被験者内再現性が高かった。 次に9つの用語を用いて、歩行動作の印象評価を行い、各印象に当てはまる歩行動作を明らかにすることとした。特に審美的印象が観察者の属性によって異なる点に着目し、観察者の性別や審美系活動経験の有無が歩行動作の印象評価に与える影響を検討した。歩行中の運動学的特徴の分析には主成分分析を用いた。主成分分析では、全身の関節角度の時系列データを包括的に評価し、主成分得点で示すことができる。この主成分得点と得られた印象評価得点との関連を相関係数によって示し、各印象に当てはまる歩行の運動学的特徴を明らかにした。
|