2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a sticker visualizing exercise speed for the sports leader
Project/Area Number |
19K20389
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Research Institution | Hiroshima National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
大高 洸輝 広島商船高等専門学校, その他部局等, 講師 (80735655)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 色知覚 / 運動鮮鋭化 / 視覚実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,スポーツ指導者がその場で容易に選手の運動速度を定量的に把握するために,運動速度によって知覚される模様が変化するステッカーを開発することを目的としている. 令和4年度は,開発するステッカーに適した模様について知見を得るため,移動物体の移動速度と色知覚の関係について検討した.これは,ステッカーに印刷する模様に色付けした際の影響を調べることを目的として,視覚実験に取り組んだ.色知覚に関する運動鮮鋭化現象の有無について,これまでに報告がないため,その特性や傾向を知る必要があった. 視覚実験では,アルファベット記号や漢字(いずれも1文字)のように形状判別を要する図形をコンピュータグラフィックスによって作成し観察対象とした.観察者には,彩度0,明度一定の背景の中,画面中央に設置された注視点を注視した状態で,注視点周辺を一定速度で周回する図形を観察し,その図形形状を判別させた.観察対象図形は,彩度と明度一定として形状4種類・色相2種類(赤系と青系)・移動速度6種類の計48種類を提示した.ここで,観察対象の明度は背景と同一にして,彩度は静止状態で観察した際ぎりぎり判別できる程度で設定した.また,視線計測によって注視点の注視状況を確認した. 観察者による図形形状判別の正答率を求めた結果,青系の色においては,数cm/s~数十cm/s程度の低速時には正答率が高く,数m/s程度まで速度上昇すると正答率が低下した.赤系の色では,低速時の正答率が高く,数m/sまで速度上昇しても正答率の低下具合は小さかった.対象物体の色に着目した場合においても,移動速度によって認識しやすさが異なる傾向にあると分かった.
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