Construction of a higher emotion causality corpus, and its application to language humor recognition and generation

2019 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 19K20391
• Research Institution: Institute of Physical and Chemical Research
• Principal Investigator: 山根 宏彰 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 特別研究員 (70825562)
• Project Period (FY): 2019-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: ユーモア / モラル / 感情 / クラウドソーシング

Outline of Annual Research Achievements

高次な感情、中でも「ユーモアから誘発されるおかしみの感情」や「モラルの基準に照らした正義感」を人工知能に理解させること、また逆に、人間にそのような感情を感じさせる文章等のコンテンツを自動で生成させることは、人類にとって大きな夢の一つである。このようなヒューマンフレンドリーな人工知能に繋がる基盤を実現するため、申請者は「高次な感情に対する理由付きコーパスの構築と、ユーモア認識および生成への応用」を研究課題として遂行している。
その目標達成のため、2019年度は、国際会議、文献調査による知見の吸収、用いる予定のAIのテスト、さらにデータセットの収集のための予備的実験を行った。
具体的には、まずユーモアに関する最大手の国際会議ISHSに参加をし、認知科学およびユーモアにおけるAIに関する調査を行った。他にもユーモアやモラル等の高度な感情を生じさせるためのベースとなる認知科学的な側面に関して、文献調査を行い、知見の吸収を行った。また、その工学的応用のために、システム構築を行う前段階の準備として、時系列データの処理に用いられるテキストを処理可能な回帰ニューラルネットワークの実装を行った。さらに、実際にユーモアとモラルに関する調査を英語クラウドソーシングサイトに依頼することで、データセット構築への予備的準備を行った。
以上の取り組みにより、少々遅延が生じているものの、次年度における研究への弾みをつけることは出来た、と考えている。今後は、知見の吸収、AIのモデル、データセットそれぞれを深化させていく予定である。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究課題において、2019年度には専用のデータセット作成を行うことを目標にしていたが、現状としてクラウドソーシングの運用を始め、予備的にデータ取得を始めたばかりであり、コーパスの作成には至っていないため。他方、心理学的側面を制約条件として入れる等、コーパスを純粋に作るだけでは不十分である可能性への気づきを得られた点で別の進捗はあったと考えられる。

Strategy for Future Research Activity

コーパス構築のための調査をしていく段階で、ユーモアおよびモラルを紐付ける背景となる理論へ注目する必要性への気づきを得られた。したがって、この理論化により代表的なユーモアおよびモラルを含む高次な感情をもたらす文のサンプルの収集を行うことを予定している。特に実験をすすめ、心理学的側面を制約条件として冗長でない表現を集めることをはじめとし、システムの試作版の実装までを2020年度の遂行目標とする。

Causes of Carryover

データ収集の段階まで本格的に進めらなかったこと、また予定として考えていた国内学会参加をしていなかったこと等で、助成金に余剰が生まれた。
コロナウイルス等で、学会参加が今年度も難しいことが予想されるが、データセット構築、研究のための物品購入に充てて行く予定である。