2020 Fiscal Year Annual Research Report
胃がん・大腸がんのユニバーサル予後予測法の開発とその治療応用
Project/Area Number |
19K20403
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
清水 秀幸 九州大学, 生体防御医学研究所, 学術研究員 (70826263)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 大腸がん / 胃がん / 予後 / 層別化 / 人工知能 |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸がん・胃がんは肺がんと並んで悪性腫瘍が多い臓器として知られている。その消化器がんの患者には古典的な化学療法が等しく行われているが、個別化医療の観点からはより正確な予後の層別化とリ療法の提案が望まれる。 今回我々は2000症例を超える大腸がん患者の予後と腫瘍における遺伝子発現パターンをRNA-seqやマイクロアレイで調べた既存の複数の報告を統合するスキームを樹立し、そこから患者の予後の層別化に寄与する遺伝子を抽出することに成功した。 これらの遺伝子発現パターンと実際の生存予後を機械学習にかけ、16遺伝子の発現量からなる遺伝子予後スコアmPS_colonを開発した。mPS_colonは、学習に使っていないテストデータにおいても優れた予測性能を発揮し、またステージやマイクロサテライト不安定性といった既存のミクロレベルでの指標をベースにした多変量解析においてもこれらより優れる指標であることが明らかになった。 また非常に興味深いことに、大腸がんだけでなくその形態パターンが概ね同じ腺がんになる胃がんにおいても同様に層別化能を持つことが明らかになり、さらに大腸がんの学習に使ったのは欧米の白人データであるにも関わらず、胃がんがより大きな健康問題になっているアジア人においても層別化能を示した。これらの結果は、mPS_colonが大腸がんや胃がんに共通する特徴量を正しく抽出できていることを示している。 我々はこの結果をNature Publishing Groupが運営するnpj Genomic Medicine誌に発表した。
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Research Products
(2 results)