2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K20411
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Research Institution | The Hyogo Institute of Assistive Technology |
Principal Investigator |
中村 豪 兵庫県立福祉のまちづくり研究所, その他部局等, 研究員 (50707403)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 視線計測 / 眼球運動 / 高次脳機能評価 / 定量評価 / モーションキャプチャ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、眼球運動と高次脳機能を計測評価可能なシステムについて検討を行った。まず、非接触型の視線計測装置を用いて、被験者の注視点を計測し、被験者の眼球運動能力を評価可能なシステムを構築した。提案するシステムでは、被験者に注視をしてもらう目標物体を任意の場所や移動速度で表示することが可能である。また、背景画像や目標物体の形状なども容易に変更可能システムを構築した。構築したシステムを用いて、眼球運動の特徴(注視が苦手な位置や移動速度など)を定量的に評価できる可能性を確認した。 また、臨床現場から、高次脳機能を評価したいとのニーズが挙がり、高次脳機能を評価可能なシステムを構築した。構築した高次脳機能評価システムでは、文章を読解するタスクや1つだけ種類が異なる文字や数字を探索するタスクなどにおける視線を計測可能である。 構築した高次脳機能評価システムを用いて、高齢者3名を対象とした実験を行った。実験より、被験者が文章を読解する際にどこを注視したかや種類が異なる文字や数字を探索する際の特徴(どのような手順で探索しているかなど)を直観的に把握可能であることを確認した。 また、日常生活動作における様々な状況において、眼球運動や高次脳機能を評価できるようにするためにウェアラブル型の視線計測装置を用いて、システムを拡張した。 さらに、深度カメラを用いて、マーカレスで容易に全身のモーションキャプチャを行い、各関節の3次元座標を計測し、移動速度や移動加速度などの指標を算出することで、四肢運動を定量評価可能なシステムを構築した。構築したシステムを用いて、歩行や片足立ちなどの日常生活動作に対して、計測評価可能であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.当初予定していた非接触で被験者の注視点を計測可能なシステムを構築できたため 2.当初予定していた注視をしてもらう目標物体を任意の場所や移動速度で表示することが可能なシステムを構築できたため 3.当初予定していた背景画像や目標物体の形状なども容易に変更可能なシステムを構築できたため 4.当初予定していた眼球運動と高次脳機能を計測評価可能なシステムを用いた実験の実施に至ったため
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Strategy for Future Research Activity |
医師や療法士などの専門家や実験協力者の意見をもとに本年度に開発した評価システムの改良を図る。 そして、眼球運動と四肢運動の関係性について調査を行う。また、音声や触覚(振動)などの情報を提示しながら、四肢運動や眼球運動を評価可能なシステムの開発を行う。さらに、聴覚や触覚などの情報と四肢運動の関係性について調査を行う。
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Causes of Carryover |
視線計測装置を用いた眼球運動と高次脳機能の定量評価において当初予想し得なかった新たな結果が得られ、本年度は成果を拡張させるために、当初の研究計画に変更が生じたため。
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Remarks |
国際会議International Convention on Rehabilitation Engineering and Technology (i-CREATe 2020)へ研究成果を投稿中である。
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