2020 Fiscal Year Research-status Report
投稿群・投稿者群を単位するソーシャルメディア上の情報拡散のモデル化に関する研究
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19K20413
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
榊 剛史 東京大学, 未来ビジョン研究センター, 客員研究員 (00735805)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | SNS / 情報拡散分析 / 社会ネットワーク分析 / ユーザ行動モデリング / 炎上 / インフォデミック |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,実績としての3つの項目を達成した.1.新型コロナウィルスに関するインフォデミックに関する情報拡散分析の実施,2.政治トピックにおける情報拡散パターンおよび拡散に寄与するネットワーク構造の特徴抽出,3.本研究の応用先に関する研究の遂行である. 1.について,2020年の初頭より発生した新型コロナウィルスに伴って生じたインフォデミックに対し,本研究で開発した手法を適用し,情報拡散分析を行った.それによりコロナ禍において多くの人々に影響を与えたニュースを明らかにした.また消費者の買い占め行動に影響を与えたウェブ上の情報拡散過程について可視化することができた.本分析結果については,日経新聞社に提供し,記事としても取り上げられた. 2.について,大規模な情報拡散が頻繁に起きているトピックとして政治に着目し,情報拡散を誘発する要因について分析を行った.具体的には,政治トピックの拡散に関わるSNSユーザ群について,彼らが持つ社会ネットワークの構造的特徴および彼らの投稿の言語的特徴について分析する手法を確立し,情報拡散の規模に相関する特徴を明らかにした. 3.について,研究課題19K20412「SNSデータを利用した早期の社会課題検出のための基盤技術開発」と連携し,SNSから早期検知された社会課題について,その拡散の程度を可視化する手法を開発した.本件は,本研究成果物の社会実装候補として,企業と連携したフィージビリティスタディも進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
情報拡散のパターン分類およびそれに基づく情報拡散の規模に寄与する社会ネットワークの構造的特徴・SNSユーザの行動特徴を明らかにできたため,概ね予定通りに進捗できていると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの感染拡大に伴うインフォデミックの発生に伴い,SNS上情報拡散が,個人や組織の意思決定に大きな影響を与えており,またそれによりSNS上のインタラクションや社会ネットワーク構造自体にも変化が生じている.最終年度においては,本研究課題で開発した手法を用いて,このインフォデミックに端を発する諸問題に焦点を絞って研究を進める予定である. また,本研究成果物の社会実装を進めるために,企業と連携したフィージビリティスタディも引き続き進めて行く予定である.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの感染拡大のため,予定していた出張を行うことができず,また想定していたリサーチアシスタントの雇用を行うことができなかったため. 翌年度においては,主にオンライン学会の参加費:100,000円/論文投稿にかかる費用:100,000円/リサーチアシスタントの雇用(データ整備・実験サポート):624,704円に当該助成金を使用す予定である。
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