2021 Fiscal Year Annual Research Report
投稿群・投稿者群を単位するソーシャルメディア上の情報拡散のモデル化に関する研究
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19K20413
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
榊 剛史 東京大学, 未来ビジョン研究センター, 客員研究員 (00735805)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | SNS / インフォデミック / 情報拡散分析 / 社会ネットワーク分析 / ユーザ行動モデリング / 計算社会科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,実績としての3つの項目を達成した.1.政治トピックにおける代表的な政治思想分類における情報拡散の違いのその違いを生み出すネットワーク構造の特徴についての研究の遂行,2.1.の研究課題成果の論文化,3.国際的イベントであるオリンピックにおけるSNS上の情報拡散および感情分析の研究の遂行である. 1.について,大規模な情報拡散が頻繁に起きているトピックとして政治に着目し,情報拡散を誘発する要因について分析を行った.具体的には,政治トピックの拡散に関わるSNSユーザ群を政治的イデオロギーで分類した後,それらのSNS全体への波及効果を調査した.さらに,どのような特徴が波及効果の大きさに影響を及ぼしているかを分析した.結果として,保守SNSユーザとリベラルSNSユーザのネットワーク形成における行動の違いおよび投稿に言語的な特徴の違いが影響していることが明らかになった. 2.について,1.から得られた知見,社会学における政治コミュニケーションにおける従来仮説を,情報学的なアプローチを検証したものであり,学際的な研究として一定の価値があると考え,そのような視点から論文かを行った.結果として,Nature誌のオープンジャーナルであるScientific Reportsに2本の論文が採択された. 3.について,東京オリンピックを題材として,開催前・開催中・開催後について,オリンピックに対するSNS上の感情の変化およびその変化と普段の政治的イデオロギーの関係性について分析した.オリンピックに対する感情と政治的イデオロギーには一定の関連性がある結果が得られた.本研究成果については,現在論文として投稿中である.
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