2020 Fiscal Year Research-status Report
光合成有効放射 (PAR) の日射に占める割合は気候変動でどう変わるか?
Project/Area Number |
19K20433
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
秋津 朋子 筑波大学, 生命環境系, 助教 (90590597)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 光合成有効放射 / 日射 / 水蒸気圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
日射と光合成有効放射 (PAR) を高精度に観測するためには,直達光と散乱光を別々に観測するシステムを用いることが有用である。PARは,その観測に一般的に用いられる「光量子センサ」による観測エラーをなるべく少なくするために,信頼性の高い値付けをされた「分光放射計」を用いて観測することで,さらに,高精度に観測することができる。今年度は,昨年度から引き続き,高層気象台の屋上に設置した直達散乱分離方式による分光放射計を用いて高精度なPAR観測を行った。ただし,緊急事態宣言の発令等による施設の立入り制限等により,観測サイトでのメンテナンス作業やデータ回収作業が十分に行えず,一部の期間に欠測が生じた。 今年度は,日射とPARを高精度した結果から作成した「日射と水蒸気圧を用いたPAR比モデル」の有用性を確認するために,日本国内の観測サイトにおける検証を行った。PAR比は,雲被覆によっても変わるため,モデルの検証には,雲被覆によるデータスクリーニングが必要である。それを実現するために,天空光カメラデータを用いた。昨年度,光量子センサを設置した沖縄 与那フィールドには,天空光カメラが設置されていなかったため,データのスクリーニングが困難だった。そこで,今年度は,天空光を観測するカメラを設置し,雲被覆の観測を開始した。ただし,緊急事態宣言の発令等による県をまたいでも移動の自粛が求められる中,設置時期は年度末近くになってしまった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
緊急事態宣言の発令等による施設の立入り制限等により,観測サイトでのメンテナンス作業やデータ回収作業が十分に行えず,欠測が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も,新型コロナウィルス感染症の収束の見通しがきかないため,新たなデータの入手に固執せずに,既存のデータを用いてモデルの地上検証を行い論文にまとめる。
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