2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K20475
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹内 悠 京都大学, 工学研究科, 助教 (70835272)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 下水再利用 / 新素材膜 / 微量化学物質除去 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は透水性と耐薬品性に優れるロバスト炭素膜の下水再生処理への応用を目的としている。2019年度はロバスト炭素膜の微量化学物質に対する除去性評価を行った。ポリアミド膜にカーボンナノチューブを配合したロバスト炭素膜と、カーボンナノチューブを含まないポリアミド膜を使用し、実験室規模の膜処理装置を用いてN-ニトロソアミン類7種と医薬品類8種に対する除去性能を比較した。 ポリアミド膜に比べてロバスト炭素膜では透水性が40%向上し、親水性の高いカーボンナノチューブを含有することで膜の透水性が大きく向上することが確認された。膜の透水性が向上すれば膜処理の運転圧力を下げることができ、運転コストの削減につながる。一方、除去性評価の結果、NDMA、NMEAを除く13物質に対してポリアミド膜とロバスト炭素膜は同程度の除去率(>92%)を有することが明らかとなった。カーボンナノチューブの含有によってロバスト炭素膜は透水性が向上するうえ、分子量が100 g/mol以上の物質について高い除去性を維持することが示された。今後様々な運転条件下における実験を実施し、ロバスト炭素膜の性能をさらに評価する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の異動が重なり、その関係でスケジュールに遅れが生じた。そのため研究成果の論文化や学会発表までには至っていないが、次年度以降の発表・論文化の準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
下水処理水を実験原水として小型膜処理装置を連続運転させ、膜の運転性を評価する。膜ファウリングの低減に効果的な膜洗浄条件を検討し、安定した連続運転が可能となる運転条件を導出する。また、下水処理水の水質に応じて膜のファウリング特性や膜の洗浄効果が異なることが予想されるため、様々な下水処理水に対する開発プロセスの適用性を評価する。
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