2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K20475
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹内 悠 京都大学, 工学研究科, 助教 (70835272)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 下水再利用 / 新素材膜 / 微量化学物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は酸化グラフェンと量子ドットを組み合わせた膜の微量化学物質に対する除去性評価を行った。セルロース混合エステルメンブレンを支持体として、量子ドットで修飾した酸化グラフェン層を形成させた膜(QD-GO膜)を開発し、実験室規模の膜処理装置を用いて医薬品類約50種に対する除去性能を評価した。また、前年度までに実施した、量子ドットを使用しない酸化グラフェン膜(GO膜)との性能比較を行った。 GO膜では運転時間に伴い、透水性が低下する現象が見られた。一方、QD-GO膜では透水性の低下は見られず、高い透水性が維持された。これはGO層間で量子ドットが架橋構造を形成することにより、GO層が安定化したためと考えられる。 GO膜に比べ、QD-GO膜での医薬品類の除去率は向上する結果が得られた。QD-GO膜での医薬品類の除去率は、医薬品類の電荷によって大きく異なり、マイナスの電荷を持つ医薬品類の除去率は、プラスの電荷を持つあるいは電荷を持たない医薬品類の除去率よりも高くなる結果が得られた。GO膜と同様、QD-GO膜はマイナスの表面電荷を持つことから、QD-GO膜での医薬品類の除去には、膜と医薬品類との電気的相互作用が大きく影響すると考えられた。一方、医薬品類の分子量(151~916g/mol)と除去率との間には相関が見られなかったことから、対象とした医薬品類について、膜でのサイズ除去効果は主要な除去メカニズムではないことが示唆された。
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