2021 Fiscal Year Annual Research Report
Washing treatment of anionic toxic element contaminated soil based on chelating reaction at mineral surface
Project/Area Number |
19K20477
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Research Institution | Ibaraki National College of Technology |
Principal Investigator |
澤井 光 茨城工業高等専門学校, 国際創造工学科, 助教 (30784962)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | フッ素 / キレート剤 / 汚染土壌 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は,キレート洗浄においてフッ素汚染土壌からフッ化物イオンが遊離するメカニズムを解明することを目指した。土壌中のフッ素吸着層として鉄,アルミニウム,カルシウムの水和酸化物もしくは炭酸塩から構成される土壌モデルを作成し,キレート水溶液中におけるフッ化物イオンの吸着挙動を調べた。キレート剤として,エチレンジアミン四酢酸(EDTA),ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA),ニトリロ三酢酸(NTA),3-ヒドロキシ-2,2'-イミノジコハク酸(HIDS)を用いたところ,土壌モデル表面へのフッ素吸着は,pH 3~11においてキレート剤の共存によって制限された。たとえばpH 11における水和酸化鉄へのフッ素の吸着率は,キレート剤が共存しない場合では88 %であったが,HIDSが共存する場合は46%であった。一方で吸着層を構成する金属塩は,アルミニウムを除きキレート剤の存在によって溶解したが,フッ素の吸着阻害効果と金属の溶解量との相関は認められなかった。キレート洗浄において,水和酸化物や炭酸塩表面はキレート剤やキレート錯体と内圏錯体を形成すると考えられるが,鉱物表面での錯形成がフッ素吸着を阻害している可能性がある。傾向を概観すると,キレート剤の共存によるフッ素の吸着阻害は,酸性で炭酸カルシウムに対して,また中~塩基性の領域では水和酸化アルミニウムと水和酸化鉄において強く認められた。各土壌モデル表面へのキレート剤の錯形成挙動を反映していると考えられる。
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