2022 Fiscal Year Research-status Report
定量的分析と物語手法を融合した、社会-生態システムの将来シナリオ共有手法の構築
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19K20494
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Research Institution | Institute for Global Environmental Strategies |
Principal Investigator |
堀 啓子 公益財団法人地球環境戦略研究機関, その他部局等, フェロー (80825787)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 社会-生態システム / シナリオ / 物語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本全国レベルの複数の社会-生態系シナリオを対象に、各シナリオにおける将来的な暮らしの変容の定量的シミュレーションと物語型コミュニケーションの適用による将来シナリオ共有手法の実践的構築を目的とするものである。本研究は3つの研究課題;①マクロな自然資本や社会変化を定量的にダウンスケーリングした、将来的な人々の暮らしの変容シミュレーション、②シミュレーション結果の物語形式への変換とその要諦の抽出、③社会調査による本手法の理解促進および意思決定支援効果の測定、から構成され、本年度は③を執行する段階である。 前年度に作成した物語形式のシナリオの読了効果を調査するため、Web調査実施に向けた比較対象群と調査設問の設計を行った。調査回答者の半数には作成した4つの物語を、その他の回答者には説明文テキストを提供することを目指し、物語シナリオにて表現した情報を損なわない形での説明文テキストの作成と、物語と説明文の双方に添えるイラスト20枚の作成も行い、これを完了した。また調査設問については、心理尺度と対象シナリオに関する先行研究を参考に、各回答者の物語読了効果(納得性・関心向上性・自我関与性)測定尺度や、望ましいシナリオの選択とそれへの意思決定葛藤度尺度、また読了効果や意思決定葛藤に影響を与える物語志向性や優柔不断性などの個人属性尺度、日ごろの読書量や社会問題への関心なども含めた調査票を完成させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
比較対象群に提示する説明文テキストおよび添付するイラストの完成に想定より時間を要し、Web調査の実施と分析を今年度中に完了することが叶わなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、本年度に完成した将来社会シナリオの物語文・説明文・調査票を用い、Web調査と分析を執行して、物語シナリオの読了効果の解明を行い、本研究の全体をとりまとめを行う予定である。
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Causes of Carryover |
調査票の完成に時間を要し、それらを用いた社会調査の実施が年度内に完了できない見込みとなったため、次年度に執行する必要が生じた。
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