2019 Fiscal Year Research-status Report
Innovation for diffusing renewable hydrogen production and utilisation: Comparison of trends in Japan, Germany and the United States
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19K20501
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 水素 / 燃料電池自動車 / 再生可能エネルギー / 公共政策 / ガバナンス / 日本 / カリフォルニア州 / ドイツ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、水素の製造・利活用により再生可能エネルギーの導入拡大と地産地消を推進するために日本への政策的示唆の抽出を目的とし、日・独・米(カリフォルニア州)を対象として、有効な公共政策、制度設計、ビジネスモデルなどを特定化し、国際比較分析を行う。本年度は、研究を開始したところ、再生可能エネルギー由来水素を製造する技術は確立されているが、発電や工業分野での大規模な利活用は、必要な投資額が膨大であるため、普及の速度が遅い。一方、技術の商用化がより進んでいる水素モビリティ(燃料電池の自動車、バス、トラック)の市場は益々拡大しつつ、多くの国は水素社会の実現を目指す上でモビリティ分野から出発している、という国際的な傾向が明らかになった。これを踏まえ、令和元年度は日本およびカリフォルニア州における水素モビリティの普及戦略に着目することとし、主な成果は次の通りである。 ①日本およびカリフォルニア州における燃料電池自動車の普及に向けた戦略に関して情報収集を実施し、主たる取り組みに関する情報を保管するためのデータベースを構築、②関連資料およびインタビュー調査を通じて得た結果を統合・分析するための枠組を構築、③本研究を進める上でシンガポール国立大学、カリフォルニア大学(デービス校)、九州大学との連携を構築、④国際学会で2回研究成果を発表、⑤水素モビリティや再生可能エネルギー由来水素の導入拡大に向けたガバナンスに関する学問分野を展開するために、国際ジャーナル『Energies』で特集号の編集を企画、⑥国際雑誌『Energy Policy』へ研究成果を取りまとめた論文を投稿。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
令和元年度の目的は、主に日本と米国(カリフォルニア州)を対象として、文献資料の調査およびインタビューを通じて再生可能エネルギー由来水素の製造・利活用および燃料電池自動車の普及に向けた戦略および両国の現状や相違点などを把握し、来年度中に成果発表をすることだった。日本に関しては、情報収集が予定通り終わり、国際雑誌『Energy Policy』に論文の投稿が決定し、また国際学界でその成果発表ができた。また、カリフォルニア州に関しては、第一フェーズの現地調査が終わり、現在関連資料を分析しつつインタビューを行っており、2020年6月までに国際雑誌へ論文を提出する予定だ。よって、令和元年度の目的は達成して、進捗状況は当初の予定より順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策は、カリフォルニア州における現地調査を継続しつつ、独国における戦略について調査を開始して、独国の現状を分析する論文を発表した上で、来年度に向けて日・米・独の比較分析を行う。また、とりわく独国においては、燃料電池自動車から研究対象を広げて再生可能エネルギー由来水素の製造・利活用の導入拡大に向けた戦略に着目して調査を進める予定である。
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Causes of Carryover |
次年度の研究費は、現地調査を遂行するための国内外の旅費、人件費、成果発表を行う学会参加のために必要である。
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Research Products
(3 results)