2020 Fiscal Year Research-status Report
全国を対象にした将来に渡って持続可能な汚水処理システムの構築に向けた研究
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19K20503
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
秋山 千亜紀 (水谷千亜紀) 筑波大学, 生命環境系, 特任助教 (20714166)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 汚水処理システム / 空間情報 / 広域化・共同化 / 持続可能性 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は昨年度までに構築した流域下水道の処理区データに,建物単位に推計された全国2500万世帯の将来推計人口を突合し,人口を集計化した.下水道利用者として将来の処理区内人口を確保するかが重要だと考えられるため,必ずしも行政区域に一致しない下水道の処理区域に存在する建物単位の推定人口を用いて,処理区毎の将来の人口変動率を算定した.この値に基づき近隣検索により探索的に処理区の統合候補を検出し,統合候補となる処理区の組み合わせに応じて人口変動率を再計算し,処理区の統合前後の人口変動率を比較することによって処理区の統合の効果を評価した.結果から流域下水道の処理区が集中する大都市圏において,処理区の共同化・広域化の効果が得られる可能性が高いことが示唆された. また学会での研究発表によって,下水道事業に実務家の方と議論する機会が得られ,下水道事業に関するオープンデータ化の動向について協議した.その結果,処理区に関しては,その領域を空間データとして公開している例は少なく(例えば大阪府富田林市),情報公開されている場合は下水道の管路情報をWebGISを通した公開する形式が多いという確認が得られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「研究実績の概要」に示す通り,現在までの進捗状況としてはこれまでに入手したデータを用いた分析が主体となった.当初計画では,地方自治体や下水道事業者へのヒアリングなどを通して下水道事業のアセットマネジメントに関する指標について取得する予定であったが,コロナ禍のため関係者との交渉を進めることが困難となってしまったためである.一方で学会での発表を通した新たな人脈もでき,当初目標の達成に向けた兆しを感じている.
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Strategy for Future Research Activity |
2021度は最終年度であるため当初計画案では成果の取りまとめを予定していたが,前述の状況を踏まえて今年度はオリジナルデータの収集および既に構築したデータとそれらを統合し,本課題の目的達成に向けて邁進したい.
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Causes of Carryover |
2020年度は,育児休業開けで職場復帰となると同時に所属大学での任期最終年度であった.そのため次年次以降の研究環境を確保するため求職活動に多くの時間が割かれた.しかしながらコロナ禍により,子の「慣らし保育期間」が終了とほぼ同時期に保育園の利用自粛が要請されたため,職場復帰と同時に自宅での保育が強いられず状態であった.また講義準備資料に関しても,オンライン化への対応が必要となった.一度目の緊急事態が解除された後も,移動や対面指導を伴う実習などの予定が,実施・中止の判断が揺れ動きながら最終的に従来の研究時間に充てられていた夏季休暇期間に大幅にずれ込むなど,研究計画段階では想定できない事案が多数頻発したことが主要因と言える. また新型コロナ対応のため,所属大学から出張自粛要請が出されたり,研究発表を行う学会自体がオンラインとなるなど,出張による支出機会が大幅に減ったことも要因と言える. 予算の使用計画としては,2021年度も現地調査や国際学会への参加は積極的に実施することが難しいことが予想される.そこで,予算の都合上購入を控えていた統計情報の拡充および研究環境のさらなる充実に予算を充てる計画である.
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