2020 Fiscal Year Research-status Report
Assessment of Ecosystem Service from the perspective of relational value: Case studies of Japanese rural communities
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19K20504
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石原 広恵 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (70821362)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 関係性価値 / 制度 / 漁業管理 / 生業 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年4月より、コロナ禍にあり、三重県志摩市和具地区において現地調査を実施することができていない。そのため、過去の調査結果をまとめ、英語誌に投稿するととともに、関係性価値に関する文献研究を実施している。過去の調査結果に関して、石原は共同研究者(徳永及び内田)とともにイセエビ漁業の管理に関する論文をまとめ、Ecological Economics誌に投稿し、それが2020年12月にアクセプトされた。本論文では、制度的フィットという概念を用いて、和具地区のイセエビ漁業の管理制度を分析した。 また、文献研究では、共同研究者(パスカル(スペイン)、ダニエル(トリニダード・トバゴ)、ホッジ(英国))とともに関係性価値を評価するための枠組みに関する理論研究を行った。文献調査の結果は、二本の論文にまとめ、それぞれEcological Economics誌、Sustainability Science誌に投稿し、現在、レビュー中である。これらの論文の中では、現在の関係性価値を評価する枠組みに関する学術論文や他の政策関係の文書の文献調査を行い、現状の評価枠組みでは、個人レベルの評価指標が確立されているものの、社会集団レベルで共有される関係性価値の指標が欠落していることを指摘した。その欠点を埋めるためには、人類学的なエスノグラフィーや近年、量的―質的調査方法として確立されつつあるq-methodが有効であることを論じた。 さらに、この文献研究を元に、「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)」で現在執筆されている価値評価の報告書(Value Assessment Report)の第二稿(Second Order Draft)の2章の執筆に、執筆分担者(Collaborative Author)として参加した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍で三重県志摩市和具地区の現地調査に行くことが困難であった。特に、現状では、新種株の全国的な広がりにより、漁業者が神経質になっているようである。2020年12月にアクセプトされた論文の簡単な説明会を開催することを企画したが、Zoomでも漁業者が一部屋に集まる必要があり、難しいとの回答が現地からあった。同地区に関しては、長年、石原が協力関係を築き、調査を行ってきた地域である。調査を実施することで今まで付き合ってきた漁業者や関係者に迷惑をかけることは避けたい。
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Strategy for Future Research Activity |
本格的な現地調査はワクチン接種が済み次第実施する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で全く現地調査に行くことができなかったため。
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Research Products
(4 results)