2020 Fiscal Year Research-status Report
再生可能エネルギー導入における農山村コミュニティの主体性―小水力発電を事例に―
Project/Area Number |
19K20506
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
本田 恭子 岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (20637053)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 再生可能エネルギー / 小水力発電 / コミュニティ / 地域資源管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,小水力発電(出力1,000kW以下の水力発電)を事例に,コミュニティ・エネルギー(農山村コミュニティが主体となって再生可能エネルギーを導入し,地域課題の解決へつなげていくしくみ)の実現に不可欠なコミュニティの主体性を検討することである。そのために,中国地方の統計資料の分析と地域が主体となって小水力発電を導入している事例(1950・60年代に小水力発電を導入し近年設備更新を行った事例と近年新規に小水力発電設備を導入した事例)でのフィールド・ワークを行う。 令和二年度は本格的なフィールド・ワークを実施する予定であったが、コロナ禍により実施が困難となった。調査対象者が中山間地域に住む高齢者であること、県境を越えての調査になることから、調査遂行に不可欠な調査地の関係者との信頼関係を維持するためにも、コロナ禍がある程度収束するまでは現地訪問を控えるべきと考えたためである。そこで、当初の研究計画を変更して、令和二年度は研究課題に関連する文献調査を実施した。農村における再生可能エネルギーを対象とした社会科学分野の既往研究のサーベイを行った。これに関する研究成果は次年度に関連学会で発表し、本の一章として公表する予定である。またコロナ禍により予定していた国際学会の大会が延期になったため、令和元年度までの研究成果(中国地方の農村主導型小水力発電の建設の経緯とその後の経過について)を英文雑誌に投稿・公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍によりフィールド・ワークを中断しているため。調査対象者が中山間地域に住む高齢者であること、県境を越えての調査になることから、調査遂行に不可欠な調査地の関係者との信頼関係を維持するためにも、コロナ禍がある程度収束するまでは現地訪問を控える必要があると考えている。また、令和二年度は国際学会での発表を予定していたが、コロナ禍により大会が延期となり、今年度中の発表は取りやめることになった。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍収束の見通しが立たないこと、および2021年8月より研究中断期間(産前産後休暇・育児休業)が生じるため、2021年度は文献調査とそのまとめに専念し、復帰後よりフィールド・ワークを再開する。なお、復帰後は最新の研究動向および社会状況をふまえ、必要に応じて実施計画を修正する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍によりフィールド・ワークが実施できなかったこと、および予定していた国際学会での発表ができなかったため、次年度使用が生じた。また、2021年8月より研究中断期間(産前産後休暇・育児休業)に入るため、この研究中断にかかる1年の研究期間延長を予定している。そのため、フィールド・ワークのための予算は復帰後に回すことも検討している。いずれにしても、社会情勢の推移をみながら慎重に検討したい。
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Research Products
(1 results)