2022 Fiscal Year Research-status Report
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19K20510
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
森田 稔 高崎経済大学, 地域政策学部, 准教授 (10756977)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 高齢世帯 / エネルギー消費量 / アンケート調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高齢化が進む日本において65歳以上の高齢世帯を対象としたアンケート調査を実施し、電気、ガス、灯油などエネルギーの消費状況と節電取組みの実態を明らかにすることを目的としている。本年度では、山形県と群馬県の4つの市町を対象に、住民基本台帳より無作為に世帯主年齢が65歳以上の世帯2,000サンプルを抽出し、郵送調査法によるアンケート調査(第1回目)を実施した。全体の約20%に該当する世帯から回答を得ることができた。同居人数の平均値は2.5人であり、多くの世帯において世帯主と配偶者ともにほぼ毎日在宅していると回答した。 この調査から、日常生活をおくる上で電気に依存する傾向が高いことが示された。ただし、すべてを電気でまかなうオール電化の世帯数は全体の約20%程度であり、多くの世帯では電気の他に、ガス(都市ガスやプロパンガス)や灯油も使用していることが分かった。さらに、光熱費でみたばあい、電気と灯油を使用している世帯とオール電化の世帯では支出額が相対的に低く、電気・ガス・灯油を使用している世帯が最も高い傾向にあることが分かった。 省エネ投資として住居の窓を二重サッシ・複層ガラスに替えた世帯と全く変えていない世帯について電気使用量を比較した結果、両者の間に大きな違いは観察されなかった。この結果は単純な記述統計による比較であるため詳細な帰結は述べられないが、家電製品のエネルギー効率向上だけでなく、住居全体での断熱性の能力を向上させることがエネルギー消費の削減において最も重要であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度に第1回目調査を実施したが、その後、物価の上昇や電力料金の上昇に伴い、当初の予定とは社会経済状況が大幅に変化したため、質問内容などを大幅に変更することなった。そのため、第2回目と第3回目の調査を2022年度中に実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画では、年間を通じて複数回の調査を実施する予定でいたが、計画を変更し、アンケート調査を2023年度の夏季か冬期に実施する方向で調整をしている。 また、これまでの仮説では家電製品の保有状況や使用状況といった行動面に着目をしていたが、第1回目の調査結果を踏まえて、住宅における省エネ性能(断熱性など)にも力点をおき、調査を実施する。
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Causes of Carryover |
第2回目以降の調査実施が、昨今の物価高とエネルギー価格の高騰を受け、調査項目を再度作成しなおすなど、調査準備に時間を要してしまい、調査の実施が次年度にずれ込んでしまったため。
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