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2022 Fiscal Year Research-status Report

トルコの政教関係の変動と国内外の市民社会の相互関係に関する研究

Research Project

Project/Area Number 19K20515
Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

幸加木 文  千葉大学, 大学院社会科学研究院, 特任研究員 (80794312)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2024-03-31
Keywordsトルコ / 市民社会 / イスラーム / 市民社会組織 / 政教関係 / トルコ政治
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、市民社会組織(CSO)や個人の分析を通じて、変動する公正発展党政権期のトルコの世俗化/宗教化の様相、信仰の在り方の多様性、社会的分断の要因等について分析するとともに、トルコ国内外におけるCSOや個人の活動の双方向性、グローバルな人や思想、情報の越境性、それらの相互作用に注目したトルコの政教関係及び市民社会の変動を捉えることを目指すものである。
2022年度は、6月に日本国内で聞き取り調査を実施、7月から8月に英国にて在外調査を実施した。英国在住トルコ人及び同国で生まれ育ったトルコ系英国人の地元に密着した市民社会活動の状況に加えて、移民や難民として英国に逃れ暮らす人々への支援や、若い世代へのメンター及び女性に対する支援活動について聴取した。また、個々人のライフストーリーを踏まえ、運動を続ける意義や動機、それらと自身の信仰との関わりについて聞き取るとともに、市民社会活動に直接関わるのではなく資金面で支援をする人々からも支援状況とその動機等を聴取した。本研究では、英国は2019年の米国に続いての在外調査となり、その地理的条件及びインフォーマントの年齢・世代の差異があり、米国における活動との比較も今後の分析課題になると思われた。本調査の一部は、今後刊行される共著書に掲載される予定である。
さらに、2023年2月に発生したトルコ南部を震源とする地震の被害状況について、被災地の一つであるトルコのシャンルウルファ在住の社会学者に依頼し、Zoomを介して講演会を3月初めに開催した。当方からは講演者の紹介及び被災概況を説明し、講演者から同地で宗教観や保守的な文化的特性に起因する様々な問題が生じていることや、今後の復興に向けたトルコ国内外の市民活動等について知見を得た。政策や政治情勢が市民社会や個人に及ぼす影響を、市民社会の観点から分析する上でも有意義であったと考える。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2022年度は新型コロナウイルス感染症が収束し、在外トルコ人が多く暮らす英国において対面による聞き取り調査及び文献調査を実施することができた。またメールやZoom、各種アプリを利用したオンラインでの情報収集を並行して行った。
これまでに収集した関連文献・資料の読解を進めつつ、トルコの宗教的市民社会組織に関する原稿や『イスラーム文化事典』における項目執筆を行った。こうした原稿執筆の過程でピアレビューを受ける機会を得たことで、研究対象とその意味付けについて別の視点から考察する機会となり研究推進のうえで有意義であった。
資料整理及び読解を鋭意進めつつ、市民社会組織を中心にトルコの市民社会と政治の変動を分析した単著を執筆中であるが予定より遅れがちであり、またトルコの政治社会情勢と市民社会の関係性に関するさらなる事例調査のため、本研究課題の研究期間を延長することとした。

Strategy for Future Research Activity

本研究課題に関するトルコ国内外の世俗派、宗教保守派、無神論者等の市民社会組織(CSO)及び個人等に関する調査を、インフォーマントに配慮しながら継続する。これまで現地調査で聞き取りをしたインフォーマントに対する継続的な調査も、対面及びオンラインにて可能な限り実施したいと考えている。調査対象国・地域に関しては、政治状況に鑑み実施可能性が高い場所を選択して実施する所存である。また、研究期間を延長した1年で、本研究課題に関連する文献読解及び資料分析を進め、研究成果として刊行するために鋭意執筆を進める。
なお、課題として、2022年度に本研究課題に近いテーマの国際研究会議が米国で開催されていたことを事後に知り、必要な情報及び機会をいかに捉えていくかということも、研究推進のために重要であることを痛感した。次の機会があれば国際的な研究集会での発表及び意見交換を積極的に行っていきたいと考えている。

Causes of Carryover

調査期間を延長してさらなる調査を実施する予定としたため次年度使用額が生じた。次年度においては主として調査費(旅費)として使用する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2023 Other

All Book (1 results) Remarks (1 results) Funded Workshop (1 results)

  • [Book] 『イスラーム文化事典』執筆項目「トルコにおける無神論者」「宗教教育、宣教(トルコ)」「新聞、雑誌(トルコ)」「ギュレン運動の今昔」2023

    • Author(s)
      イスラーム文化事典編集委員会・編
    • Total Pages
      748
    • Publisher
      丸善出版
    • ISBN
      978-4-621-30766-3
  • [Remarks] reseachmap 幸加木 文(Aya KOKAKI)

    • URL

      https://researchmap.jp/koukaki-aya

  • [Funded Workshop] Zoom “Social Impact of the Earthquake in Turkiye and Syria: Immediate Insights"2023

URL: 

Published: 2023-12-25  

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