2022 Fiscal Year Research-status Report
フィリピン外交の大戦略―フィデル・ラモス政権の外交指導についての考察
Project/Area Number |
19K20518
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
高木 佑輔 政策研究大学院大学, 政策研究科, 准教授 (80741462)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | フィリピン外交 / 国際主義 / 東南アジア国際関係 / インド太平洋 / 大戦略 / 中国 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、これまでの研究成果を踏まえ、学術書の一章としての日本語論文と、査読付きの学術雑誌に英語論文を執筆、出版した。具体的には、ラモス政権期に役割を変えた国家安全保障会議に注目し、同会議の事務局長を兼任した国家安全保障担当大統領補佐官、ラモス政権の外務大臣、そして外務次官の執筆した著作を集中的に読解した。また、国家安全保障会議が初めて公表した国家安全保障政策についても考察し、ラモス政権期の政策決定のその後の政権への影響を確認した。考察を通じ、これまで軽視されてきた外務省や国防省(と軍と沿岸警備隊)の長期戦略の変遷が明らかになった。特に大統領、外務省と軍という三つの主要なアクターが、それぞれに一定の独自性をもって政策立案と実施を行ってきたことに注目し、専門的な学術書である『「強国」中国と対峙するインド太平洋諸国』(竹中治堅編、千倉書房、2022年)に「フィリピンの対中外交―交錯する3つのアクターと3つ政策」を執筆、出版した。これらの成果を踏まえて学術論文(英語)を執筆した。執筆後、査読付きの学術雑誌であるJournal of Contemporary East Asian Studiesに投稿し、掲載が決定、2023年3月発刊の同誌11号2巻に、"The Politics of grand strategy in an emerging state: a case study on Philippine diplomacy toward China"として出版された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は、これまでの研究成果のとりまとめとなる二つの論文を執筆し、いずれも出版できた。一つ目は、中国の台頭という東アジア、ひいては世界の諸国が直面する課題に対して、インド太平洋諸国との比較のうえで考察する論文(「フィリピンの対中外交―交錯する3つのアクターと3つ政策」)であり、専門的な学術書である『「強国」中国と対峙するインド太平洋諸国』(竹中治堅編、千倉書房、2022年)に所収された。もう一つは、ラモス政権期の大戦略構想と、その後の政権への影響についての考察を含む論文を執筆し、東アジアの国際関係に関する論文が数多く掲載される査読付き英文学術雑誌(Journal of Contemporary East Asian Studies)に投稿、掲載が決定、2023年3月発刊の同誌11号2巻に、論文("The Politics of grand strategy in an emerging state: a case study on Philippine diplomacy toward China")として出版された。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で明らかになった地域主義や国際主義に基づく外交の実例についての調査を行う。特に、現代フィリピンの外交についての著作を執筆中の著名なジャーナリストを国内に招聘し、共同研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
海外出張の予定を次年度に繰り越したため。
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Research Products
(2 results)