2020 Fiscal Year Research-status Report
Review on the study of the Commons in Lao PDR
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19K20525
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
森 朋也 山口大学, 教育学部, 講師 (30757638)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | コモンズ / コモンプール財 / 共有地の悲劇 / 社会関係資本 / ローカル・ガバナンス / 社会的共通資本 / ラオス |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究実績としては、以下の内容である。 【論文】①森朋也「ラオスにおける村落共有林のガバナンスと社会関係資本の関係性」中央大学経済研究所,(52), pp.195-215. 2020年9月, ②森朋也「観光における「共有地の悲劇」問題について」山口大学教育学部『研究論叢』,70, pp. 69 - 77, 2021年1月. ③森朋也「山口県における観光需要の季節変動性とその要因について」山口学研究,1, pp. 20 - 31, 2021年3月.【学会報告】①森朋也, 金承華, 中平千彦, 中村光毅, 薮田雅弘「新型コロナウイルス感染症と観光 -観光移動の変動パターン分析と観光政策-」2020年11月21日. COVID19の感染拡大をうけて、現地調査が実施できていないために、過去に取ったデータを利用した研究、、コモンズ研究の理論的視座を用いた研究を進めてきた。論文①では、過去に行ったアンケートデータを用いて、どのような要因によって住民が森林管理に参加するかを重回帰分析を用いて分析を行った。論文②では、コモンズ論の主要な命題である「共有地の悲劇」から観光地をどのように捉えることができるかに論じた。論文③は、コモンズとしての地域資源はいかに観光需要の変動を抑えているかを統計的に明らかにしたものである。山口県が対象ではあるが、理論的な背景としてはコモンズ論をベースとしており、得られた帰結はラオスにも応用可能な点から、本科研事業の一つの研究業績といえる。学会報告②の内容は、COVID19という感染症の拡大とコモンズとしての観光地の関係を示したものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID19の感染拡大を受けて、今年度もラオスでの現地調査ができなかったために、研究計画に大幅な遅れが生じている。計画では、前年度にインタビュー調査を通して収集したデータをもとにアンケート項目を作成する予定だった。しかし、前年度にも調査が実施できず、アンケート項目の作成も十分に進んでいない状態である。現在は、現地のカウンターパートであるラオス国立大学の教員と定期的に連絡を取りながら、次年度以降の研究計画を練っている段階である。このため、現在までは、サーベイしたコモンズ論の研究成果を応用した幾らかの研究成果を上げた。5.研究業績の概要にも述べたが、主だった研究業績は以下である。 【論文】①森朋也「ラオスにおける村落共有林のガバナンスと社会関係資本の関係性」中央大学経済研究所,(52), pp.195-215. 2020年9月, ②森朋也「観光における「共有地の悲劇」問題について」山口大学教育学部『研究論叢』,70, pp. 69 - 77, 2021年1月. ③森朋也「山口県における観光需要の季節変動性とその要因について」山口学研究,1, pp. 20 - 31, 2021年3月.【学会報告】①森朋也, 金承華, 中平千彦, 中村光毅, 薮田雅弘「新型コロナウイルス感染症と観光 -観光移動の変動パターン分析と観光政策-」2020年11月21日. あるいは、今年度は、必要な文献と資料の収集・整理、および、過去に取ったアンケートデータを用いた研究を進めてきた。また、2019年度に中央大学で研究報告した内容を論文として執筆しており、今年度中に論文として発表する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度より、現地調査が実施できていないため、本事業は、大幅な遅れが生じている。感染症次第ではあるが、夏以降に現地調査を実施し、必要なデータを集めた上で、実証的な分析を秋以降に進めていく予定である。必要に応じて、ラオス国立大学の先生に、代わりに現地の情報を収集してもらうことも計画している。 感染の状況が改善、あるいは悪化する事態も配慮した研究も同時に進めて研究成果を発表していくことも計画している。現在、過去に二つの県で取ったデータと先行研究で示されたデータを、SESのフレームワークから分析している。この研究は、今年度中に学会報告を行い、論文として発表する予定である。加えて、2019年度に中央大学で研究報告した内容を論文として執筆しており、今年度中に論文として発表する予定である。
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Causes of Carryover |
COVID19の感染拡大のために、予定していた3回の現地調査が実施できず、また、学会がオンラインになったために、その旅費も必要とならなかった。以上のために、旅費と謝金の部分で大きな残額が生じたことが主な原因である。今年度は、感染症次第ではあるが、夏以降に、現地調査を計画している。具体的に、現地調査は、9月と2月、3月を想定している。予定よりも遅れが生じているので、当初考えていたよりも、現地で多くのスタッフ(ラオス国立大学の学生・院生)を雇って、大規模に調査を実施する予定であり、そこで、これまでの残額を主に使用しようと考えている。また、追加で必要な文献や物品の購入にあてる予定である。
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Research Products
(4 results)