2020 Fiscal Year Research-status Report
高度情報化時代に適応する権威主義国家:湾岸産油国の事例から
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19K20527
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Research Institution | Komatsu University |
Principal Investigator |
千葉 悠志 公立小松大学, 国際文化交流学部, 准教授 (70748201)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 中東メディア / 中東地域 / 情報化 / メディア / 湾岸産油国 / 権威主義 / 自由化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、高度情報化時代に対する権威主義国家の適応を、情報化が著しく進む中東の湾岸産油国の事例分析から論じることであり、またそうした中東の事例を中国やロシアといった他地域の事例と比較検討することで、情報化が権威主義国家を強化する可能性やその条件を探ることにある。具体的には、研究期間中を通じて(1)湾岸産油国の多チャンネル化への適応戦略、(2)湾岸産油国の多メディア化(とくにインターネット時代)への適応戦略、(3)湾岸産油国と他の権威主義国家(中国やロシア)との統制監視手法、の3点の解明を試みることが研究の主要な目的である。実施計画では、2019~2021年度の3年間に、湾岸産油国(とくにアラブ首長国連邦、バハレーン、クウェート、カタル、オマーン)と、また湾岸系放送局が支局を置いており、アラビア語の関連文献を入手できると考えられるエジプトで現地調査を行う予定である。最終年度の2022年度はアウトプットに力を入れる。2年度目となる2020年度は、新型コロナウイルスの世界的まん延により当初予定していた湾岸産油国(カタル、オマーン、クウェート)でのフィールドワークを実施することが適わなかったが、国内で入手可能な外国語書籍とデータベースを活用するかたちで研究を進めた。研究の成果や作成したデータベースをもとに、日本マス・コミュニケーション学会2020年度秋季研究発表会(2020年10月11日、オンライン開催)で企画ワークショップ「リベラル的文脈の外縁から眺めるメディア・国家・市場」を企画立案し、中東の事例について研究報告を行った。また、研究成果を論文にまとめて複数の学術書籍へと寄稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた湾岸産油国での調査が新型コロナウイルスの影響で中止せざるを得なかった。一方、国内に散逸していた資料を収集し、その成果を複数の論文にまとめて公刊できたことは研究成果のアウトプットの点で大きな進展があったと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には、申請書提出段階での計画通りに研究を進める予定である。しかし、新型コロナウイルスの影響が長引くことが予想されるため、2020年度と同様に、2021年度も海外での調査が出来ない可能性が高い。今後の新型コロナウイルスのまん延状況を踏まえながら、できる限り当初の研究予定から遅延なく研究を進めることができるように調整を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響が長引く中で、当初予定していた海外渡航調査が適わず、次年度使用額が生じた。ワクチン接種を含む今後の状況をみながら、国内の図書館・資料館での資料収集、また英語・アラビア語の書籍やデータベースの購入などを行うことで、可能な限り研究を遅延なく進める予定である。
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Research Products
(6 results)