2023 Fiscal Year Annual Research Report
高度情報化時代に適応する権威主義国家:湾岸産油国の事例から
Project/Area Number |
19K20527
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Research Institution | Komatsu University |
Principal Investigator |
千葉 悠志 公立小松大学, 国際文化交流学部, 准教授 (70748201)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 中東 / メディア / 権威主義国家 / デジタル化 / 高度情報化時代 / 湾岸産油国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、高度情報化時代に対する権威主義国家の適応を、情報化が著しく進む中東の湾岸産油国の事例分析から論じることであり、またそうした中東の事例を中国やロシアといった他地域の事例と比較検討することで、情報化が権威主義国家を強化する可能性やその条件を探ることにあった。具体的には、研究期間中を通じて(1)湾岸産油国の多チャンネル化への適応戦略、(2)湾岸産油国の多メディア化(とくにインターネット時代)への適応戦略、(3)湾岸産油国と他の権威主義国家(中国やロシア)との統制監視手法、の3点の解明を試みることが研究の主要な目的であった。 実施計画を立てた時点では、2019~2021年度の3年間に湾岸産油国およびエジプトで現地調査を行い、4年度目となる2022年度は、過年度の研究をまとめて本研究課題に関する学術書を出版する予定であった。しかし、新型コロナウイルスの影響によって中東地域でのフィールドワークを十分に実施することが適わず、研究期間を1年間延長し、2023年度まで研究を継続した。フィールドワークについては、アラブ首長国連邦、カタル、エジプトを中心に実施した。渡航制限があったことで現地で収集が適わなかった書籍もあったが、国内で入手可能な外国語書籍やオンラインでの現地協力者を通じた情報収集を通して、フィールドワークの欠落を補うかたちで研究を進めた。 その結果、研究期間を通じて1冊の共編著、4冊の共著(分担執筆)、6冊の事典/テータブック等への執筆、3件の国際学会/国際ワークショップでの報告、毎年1回以上の国内学会への登壇・研究報告を行うことができた。とくに、中東メディアに関する英語のHandbookに論文を掲載することができたことは、大きな研究成果であると考えている。
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Research Products
(6 results)