2019 Fiscal Year Research-status Report
Multi-level Governance of Social Inclusion of "immigrants" in Sweden
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19K20528
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Research Institution | Tohoku Fukushi University |
Principal Investigator |
清水 由賀 東北福祉大学, 総合福祉学部, 講師 (60756352)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 〈移民〉の包摂 / マルチレベル・ガバナンス / 地域分類 / 間接的/普遍的施策 / 直接的/選別的施策 / 福祉国家 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の問い①「スウェーデンでは〈移民〉の包摂をめぐってどのようなマルチレベル・ガバナンスが行われているのか?」に対して、1)施策ごとの特徴と、2)地域分類ごとの特徴の二つの視点から分析を行うため、2019年度は事例研究として、大都市に属するセーデルテリエ、大規模地域に属するクリファンスタッド、カルマル、中規模地域に属するヴェステルヴィークにおける、〈市民〉一般を対象とする間接的/普遍的施策である市民センター、〈移民〉のみを対象として労働市場や社会への参入を促す直接的/選別的施策であるインテグレーション・センターなどへの訪問・聞き取り調査を行った。一方、全国的な傾向を知るために地方自治体の全国組織であるスウェーデン・コミューン・ランスティング連合(SKL、現コミューン・レギオン連合SKR)への聞き取りも実施した。結果、自治体の強い独立性と政治状況に応じた行政組織の変化の速さから、各地域における〈移民〉包摂のガバナンス構造の全体像を把握するには、地域分類ごとの事例研究を増やす必要があることが明らかとなった。 一方、新型コロナウィルス感染症の感染拡大に伴い、国境を越えた移動が難しくなり、現地調査をいつ再開できるか分からない状況にある。そこで、今後の研究の展開に関しては、これまでに現地調査を行った事例について、本研究の問い②「そのガバナンスのあり方は歴史的にどのように変化してきたのか?」に答える歴史的分析と、問い③「〈移民〉の包摂をめぐるガバナンスの変化はスウェーデン福祉国家の変容とどのように関係しているのか?」という福祉国家構造との関連についての理論分析を重点的に行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
スウェーデンの地域における〈移民〉の包摂は、ナショナル・レベルの直接的/選別的施策のサブナショナル・レベルにおける実施、ナショナル・レベルの間接的/普遍的施策へのアクセスを可能にするためのサブナショナル・レベルの施策、そして地方自治体独自の間接的・直接的施策の実施においては、複数の自治体間、EU-自治体間、自治体-中央政府間というサブナショナル・レベルにおける多様な政府間協力が行われており、マルチレベル・ガバナンスが行われていると言える。各地域の〈移民〉包摂のマルチレベル・ガバナンスのあり方は異なるため、その全国的な特徴を地域分類ごとに把握し一般化しようと、現地調査による事例研究を蓄積する予定であった。2019年度は現地調査を夏と冬の2回行う予定であったが、新型コロナウィルス感染症の感染拡大に伴い冬の調査を断念し、予定ほど事例の蓄積は出来なかった。また、現地調査再開の見通しは今のところ立たないため、研究方針を転換し、理論研究に重きを置くこととする。
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Strategy for Future Research Activity |
大都市、大規模地域、中規模地域、小規模地域における〈市民〉一般を対象とする間接的/普遍的施策の事例と、〈移民〉のみをする直接的/選別的施策の事例は、予定ほど多くを集められていないものの、これまでの研究成果とも合わせると、理論的分析が可能である。したがって、事例研究の蓄積に重きを置いていた当初の研究方針を変更して、これまでに集めることのできた事例をもとに、理論的分析に重点を置いて進めていくこととする。 具体的には、これまでに集めた事例のマルチレベル・ガバナンスの構造を、サブナショナル・レベル、ナショナル・レベル、スープラナショナル・レベル(=EU)政府という垂直的側面から見た多様なアクターと、民間企業や自発的団体などを含めた水平的な側面から見た多様なアクターがどのように関わり、各種施策を形成・実施してきたか分析する。また、それらがヨーロッパ化、民営化などの福祉国家の構造的変容と、〈移民〉に対する世論の変化などとどのように関係してきたかも分析する予定である。
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Causes of Carryover |
冬の現地調査を行わなかったために残額が生じた。次年度に図書購入費等として使用する予定である。
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Remarks |
2019年5月20日~23日に東北福祉大学にて開催された、東北福祉大学とフィンランド・ラウレア応用科学大学の研究者による国際共同研究マッチングセミナーにおいて、研究報告を行った。
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Research Products
(1 results)