2020 Fiscal Year Research-status Report
アフガニスタンにおける国民統合政策の変容に見るエスニシティ間対立構造の分析
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19K20529
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
登利谷 正人 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 特別研究員(PD) (90711755)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アフガニスタン / パキスタン / パシュトゥーン / エスニシティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は研究2年目に当たり、1950年代~60年代のアフガニスタンとパキスタンに関する関連一次資料収集などのため、アメリカ、イギリス、パキスタンにおける海外調査を実施する計画であった。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、海外調査は全面的に中止を余儀なくされ、これらの海外調査は全て実施が不可能な状態になってしまった。そこで、公刊されているパシュトー語やウルドゥー語の一次資料の分類と調査、および収集済みの新聞資料などの分析を実施した。 しかし、海外調査に加えて、国内での研究報告や資料収集なども困難な状況が継続したことで、研究活動に大きな影響が出た。他方、収集済みの一次資料や研究論文等の分析を中心に研究活動を実施したことで、今後の研究活動の基盤構築という点においては、大きな進展が見られた。さらに、本研究に関連する論考の執筆活動を開始したことで、来年度以降に研究成果の一部が公刊される状況となったことは、研究内容の発信という観点からも研究が進展したと言える。 このように、当初の計画とは大きく変更を余儀なくされたものの、計画を変更しつつ、研究文献の精査とある程度の研究活動の進展が見られたと考える。また、成果発表に関しても、今後はオンライン上での様々な機会に当該年度における研究内容の報告を実施するなど、新型コロナウイルス感染拡大状況が収束しない場合でも柔軟に対応できるよう、新たな研究実施に向けた計画再構築も進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究はアフガニスタンとパキスタンにおけるパシュトゥーンの政治動態と両国との関連について分析を実施するため、当初研究計画において複数回の海外調査、特にパキスタン、アメリカ、イギリスにおける一次資料調査を必須としていた。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、全ての海外調査が不可能な状況となってしまったことで、本研究の進展にも大きな影響が出た。しかし、その代わりに、これまで収集してきた一次資料を中心に、本研究の進展のための分析を行い、当初研究計画からは多少の変更があったものの、一定程度の研究の進展が見られた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も新型コロナ感染症の蔓延状態が収束した場合には、直ちに海外調査を実施し、特にパキスタンとイギリスにおける資料調査を実施することを計画している。もし、このまま海外調査が困難な状況が続くようであれば、引き続き収集済みの一次資料の調査を進めるとともに、パキスタンなどで出版されているウルドゥー語やパシュトー語の書籍などの内、日本からでの購入可能な文献などを多めに購入し、研究に利用することも検討している。
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Causes of Carryover |
当初はパキスタンとイギリスにおける複数回の海外調査を実施予定であったが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、調査が不可能な状況となってしまった。そのため、当初海外調査のための旅費関連経費にほとんどの経費を使用する予定であった。さらに、国内外の国際会議などに出席・報告するための旅費にも使用する計画であったが、これも全て中止となってしまった。このような状況により、支出が生じない状況となったが、次年度以降は可能であれば実施できなかった海外調査を複数回実施する計画である。もし難しい場合には、一次資料となる文献などの購入などに支出する計画である。
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