2023 Fiscal Year Annual Research Report
An Experimental Study of China's Regional Over-investment: From a Politico-Economic Perspective
Project/Area Number |
19K20531
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
三竝 康平 帝京大学, 経済学部, 講師 (50767473)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 中国経済 / 経済制度 / 過剰投資 / 経済システム |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間の最終年度である本年度は、4年目から引き続き、研究資料の収集と整理、データベースの構築と試験的な分析の実施および研究論文の執筆に取り組んだ。当初の予定としては研究の取りまとめに努める時期であったが、これまで、新型コロナウィルス感染症の世界的拡大の影響、特に、中国の主要都市への訪問が困難である等の理由から、現地調査、必要な資料収集、ヒアリング等を実施することができなかったが、今年度は夏季に実施(北京等)することができた。 本研究の目的は、中国の持続可能な経済発展にとっての阻害要因として、近年国内外で注目を集めている過剰投資のメカニズムおよびその実態について実証的に明らかにすることにあり、中国における中央・地方関係を立体的に描くことで、中国の持続可能な経済システムのあり方について、新たな知見を得ることにあるため、本年度は主に、4年目までの研究蓄積を活用し、これまでに構築した試験的なデータベース(中国国家統計局が出版している各種統計資料をもとにしたもの)を発展・拡充させる形で、人民網および各種年鑑を活用した、地方指導者の出世競争や中央との結びつきを示すデータベースの検証作業や実証分析に取り組んだ。今後、これまでに得られた知見と、実施した現地調査の成果を突き合わせ、論文執筆に取り組む予定である。 あわせて、本研究を応用する形で、4年目までに取り組んだ、中国の経済制度に関する政治経済学的視点からの研究蓄積を活用し、台湾の共同研究者等との国際共同研究チームに参加し、主にイノベーションや脱炭素の視点からではあるが、本研究に関するこれまでの研究知見を援用した研究にも取り組み、国際シンポジウムにおける研究報告等の形で対外発信をすることができた。また、本研究の研究知見も活用した研究成果(論文)が国際誌であるJapan and the World Economyに掲載されることができた。
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