2021 Fiscal Year Research-status Report
Social re-production in the process of food distribution and eating opportunities of children in the irrigation scheme in Kenya: an comparison with Indonesian case
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19K20537
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Research Institution | Policy Research Institute, Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries |
Principal Investigator |
伊藤 紀子 農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (80751809)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 食料分配 / ネットワーク分析 / 食事調査 / 農村調査 / ケニア / インドネシア / 比較研究 / 社会関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、アフリカとアジアの農業開発政策が農村社会に異なる影響を与えてきたことに注目し、ケニアとインドネシアの稲作農村地域において、社会ネットワークを通じた食料分配の機能を検討することを目的とする。アフリカやアジアの農村における社会関係や子どもの食事の実態を把握することを通じて、持続的な農業生産や食料消費を可能にする農村振興策への示唆を得る。 2021年度は、パンデミックのため海外出張が困難であったものの、ケニアで収集したデータを用いた分析の学会報告、インドネシア・中国などのアジア地域における文献調査及びインターネットを通じた食料消費に関する調査を行い、調査結果のとりまとめや報告を行った。「国際開発学会」の口頭報告では、ケニアの稲作灌漑地域における女性を対象としたウェブ調査結果をまとめ、子育て女性の食に対する意識、社会関係、食料消費の特徴を明らかにした。学会報告において得られたコメントなどを受け、関連する先行研究やアフリカの栄養改善事業、調査地の稲作開発政策などを考慮しながら、調査結果のデータ分析をとりまとめ、現在、査読付き雑誌論文に投稿・審査途中となっている。 インドネシアの食料生産や消費に関する近年の政策の調査結果を、農林水産政策研究所の刊行する報告書(カントリーレポート)にて報告した。インドネシアなどのアジアにおける近年の電子商取引を通じた食料消費と関連し、中国における食品消費の特徴に関する論考を、日本農業経済学会英文誌Japanese Journal of Agricultural Economics、農林水産政策研究所刊行物にて公開した。また、インドネシアにおける持続的な農業生産や食料消費と関連し、アジア・ヨーロッパにおける有機農業に関する国際比較研究を、農林水産政策研究所の報告書(農村振興政策の各国横断的研究)として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
世界的なパンデミックにより渡航による海外出張が行えなかったため、調査やデータ収集が予定通りに進められなかった。しかしながら、メールやウェブ会議を通じてケニアやインドネシアの調査協力者へコンタクトをとり、必要な調査を行うことができた。また、それらの調査結果を取りまとめ、学会発表や、インドネシアの食料消費政策、有機農業政策などの研究成果として公表した。関連して、中国などアジアにおける食料消費の動向に関しても、査読付き論文として、公表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、パンデミックの影響による海外出張困難などを理由に、延長が認められたため、次年度に関しては、現地調査またはウェブでの聞き取りを行うことを予定している。これまでのウェブ調査や文献調査で得られた現地の詳しい社会関係や食に関する情報については、可能ならば対面調査(またはウェブ会議)で、調査協力者や調査対象者に直接追加的に聞き取り調査を行い、データの正確性や背景について確認をする必要があるという段階にある。また、それらを踏まえて、本研究をとりまとめ、ケニア及びインドネシア、それらの比較から得られた開発政策や国際協力への含意を導き、学会誌、一般向けのシンポジウムなどの情報提供の機会を通じ、広く社会に発信することを目指す。
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Causes of Carryover |
世界的なパンデミックにより海外出張や国内出張が困難であった。当初、海外旅費や学会報告のための国内旅費を計上していたが、それらの多くをウェブ調査費用などに切り替えるなど計画の変更を行い、使用額の総額は予定よりも少額となった。次年度使用額については、パンデミックの状況が緩和されれば海外調査のための海外旅費や国内の学会のための旅費として使用することとし、出張が困難な状況が続けば、引き続き追加的なウェブ調査費などとして使用することを予定している。
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Research Products
(9 results)