2020 Fiscal Year Research-status Report
The Development of Digital Economy in Rural China
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19K20543
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
張 馨元 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (60635879)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 農業生産 / デジタル経済 / コロナ危機 / 出稼ぎ労働 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度の研究活動は1)農業生産状況と農業部門におけるデジタル技術の普及について、2)都市部デジタル産業の発展と農村出稼ぎ労働者の関係について、といった小課題の解明を中心に行われた。1)に関しては、年度中に、これまでの研究成果をまとめ、学会報告を行い、雑誌論文を1本刊行した。2)に関しては、コロナ感染症が発生する中で、主に都市部の食事配達業とライドシェアの2分野において、非正規雇用者の就業状況をある程度解明できた。
コロナ感染症の発生により、移動制限があったため、2020年度においても、前年度に続き、資料調査を中心に研究を遂行した。年度中の以下2点の発見があった。第1に、中国では、都市部と農村部の間にデジタル格差(digital divide)が存在する。農村部においては、県政府の所在地と周辺の農村地域のデジタル格差が顕著であり、農業生産におけるデジタル技術の利用は稀である。第2に、2020年全国の「農民工」2億8560万人(前年比-1.8%)のうち、居住地を離れて就業する出稼ぎ労働者は1億3101万人で、前年比-3%であった。コロナ感染症の発生により、「農民工」と呼ばれる出稼ぎ労働者の就労機会が減少しているといわれているが、都市部では、食事配達、ライドシェアなどのデジタル産業が急速に発展し、出稼ぎ労働者に新たな就業機会を提供している。この点に関して、さらなる分析が必要で、次年度の課題として研究を続けたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ感染症の発生と国際的拡大により、現地調査の実施が不可能となりました。2020年度の上半期では、日中間の物流サービスの停滞により、資料収集にも遅れが出た。年度の後半に資料整理を中心に研究活動が再開できたが、全体的に進捗はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度では、現地調査を実施できない中で、資料調査を引き続き行うとともに、中国のデジタル経済に詳しい調査業者にアンケート調査の実施を依頼する予定である。年度の後半に、アンケート調査で収集したデータを主たる材料に分析を実施する。
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Causes of Carryover |
2020年度では、」コロナ感染症の長期的拡大により、計画していた現地調査と中国研究者との連携調査を実施できませんでした。日本国内の学会発表もオンライン形式での実施となしました。そのため、旅費として申請していた研究費が使用できていません。 しかし、今後の研究活動において、海外出張を伴わないデータ収集と研究協力を計画している。具体的には、専門調査会社を利用し、デジタル経済の普及に関するアンケート調査を実施する予定である。
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Research Products
(2 results)