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2021 Fiscal Year Research-status Report

アフリカにおける多民族社会成立の解明―地方行政における伝統的権威の裁量に着目して

Research Project

Project/Area Number 19K20552
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

原 将也  神戸大学, 人間発達環境学研究科, 助教 (00823147)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywordsザンビア / 間接統治 / チーフ / 北ローデシア / 地域社会 / 移入 / 多民族
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、植民地期以降現在までのザンビア北西部において伝統的権威に着目し、多民族社会が成立する要因を解明し、共生社会を実現する社会の統治構造を探ることを目的としている。
2020年度と同様に2021年度においても、新型コロナウイルス感染症の影響により、当初予定していたザンビア北西部への渡航を断念せざるを得なかった。ザンビア北西部の調査協力者と定期的に電話で連絡を取っているが、ザンビア側の通信環境や端末などの事情から、遠隔で調査することはできていない。そのため、新型コロナウイルス感染症の世界的なひろがりの後に計画を変更し、ザンビアにおける伝統的権威の評価に関する調査を2021年度に予定していたが、実施することはできなかった。2年度にわたって現地調査のできない状況がつづいているが、2019年度の調査で入手した史料およびインターネットを活用して入手した各種資料の分析を進め、北ローデシア時代の伝統的権威による地方行政の実態と地域社会における伝統的権威の役割について、明らかにすることができた。
2021年5月に開催された日本アフリカ学会第58回学術大会(オンライン開催)で、本研究成果を発表し、現在論文として投稿すべく、原稿をまとめている。新型コロナウイルス感染症の影響で延期されていた34th International Geographical Congressが2021年8月にオンラインで開催され、ザンビア北西部の移入者の動きと地域社会への受け入れの際の伝統的権威の役割について発表した。2020年度にTROPICS誌で発表した論考が評価され、日本熱帯生態学会第25回吉良賞奨励賞を受賞した。本研究をはじめとしたこれまでのザンビアにおける研究成果が熱帯研究に資するものとして評価された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

新型コロナウイルス感染症の影響で、2年度にわたって現地調査を実施することができていない。本研究の開始当初には想定しなかった事態であることから、現時点でできうる資料の収集と分析、これまで取得したデータの分析、それらをもとにした成果の発表を中心に実施することで、現地調査を遂行できないなかにおいても、本研究の成果を発表することができていると考えている。2021年度については、とくに植民地時代以降の地方行政と伝統的権威の役割に関する史料の分析とその成果のまとめを中心に活動した。詳細な史料の分析により新たな成果を得ることができており、それらの成果を発表することができた。しかし、ザンビアに渡航して地域住民や伝統的権威に対して調査することが十分にできておらず、研究の進捗状況としてはやや遅れている。

Strategy for Future Research Activity

これまでの史料の分析から得られた成果を論文として発表することにしている。また世界的な新型コロナウイルスの感染状況の変化や水際対策の緩和もあり、2022年度にはザンビア北西部に渡航して現地調査を実施できると考えている。その際には、ザンビアの伝統的権威に関する評価や地域社会における位置づけについて、住民から聞き取り調査を実施する。しかし、渡航のタイミングや期間などについては、ひきつづき日本、ザンビア、世界の状況を注視しながら、慎重に検討していく。

Causes of Carryover

2021年度においても、2020年度と同様に、新型コロナウイルス感染症の影響で、本研究において中心的な計画であるザンビアにおける現地調査を断念した。また国際学会や国内学会がすべてオンラインで開催されたこともあり、本研究の使用計画において大部分を占める旅費を使用しておらず、次年度の使用額が生じている。2022年度には、新型コロナウイルスの感染状況の変化や各国の水際対策の緩和もあり、ザンビアにおける現地調査を遂行できると考えており、現地調査の旅費として使用する予定である。また国内学会への参加旅費、論文発表などの成果発表のために使用する予定である。

  • Research Products

    (9 results)

All 2022 2021 Other

All Journal Article (2 results) (of which Open Access: 2 results) Presentation (5 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Invited: 2 results) Remarks (2 results)

  • [Journal Article] 斎藤幸平『人新世の資本論』集英社新書をどう読むか2022

    • Author(s)
      井口克郎・岩佐卓也・太田和宏・原 将也・加戸友佳子・浅野慎一
    • Journal Title

      神戸大学大学院人間発達環境学研究科研究紀要

      Volume: 15(2) Pages: 189-209

    • DOI

      10.24546/81013213

    • Open Access
  • [Journal Article] ザンビア北西部における生業からみた多民族農村の暮らし2021

    • Author(s)
      原 将也
    • Journal Title

      日本熱帯生態学会ニューズレター

      Volume: 125 Pages: 4-10

    • Open Access
  • [Presentation] ザンビア北西部における生業と移住からみた多民族地域2022

    • Author(s)
      原 将也
    • Organizer
      社会環境セミナー
  • [Presentation] 北ローデシアにおける地方行政と多民族農村の形成2021

    • Author(s)
      原 将也
    • Organizer
      日本アフリカ学会第58回学術大会
  • [Presentation] アフリカ農村で豊かさと地域開発について考える2021

    • Author(s)
      原 将也
    • Organizer
      2021年度立正地理学会熊谷例会
    • Invited
  • [Presentation] ザンビア北西部における生業からみる多民族の共生2021

    • Author(s)
      原 将也
    • Organizer
      日本熱帯生態学会第25回吉良賞奨励賞受賞記念講演
    • Invited
  • [Presentation] The migration process and contributions of guarantors for immigrants in a multi-ethnic community in northwestern Zambia2021

    • Author(s)
      Hara Masaya
    • Organizer
      34th International Geographical Congress
    • Int'l Joint Research
  • [Remarks] 神戸大学研究者紹介システム

    • URL

      https://kuid-rm-web.ofc.kobe-u.ac.jp/profile/ja.c66ee7d4f01ccd53520e17560c007669.html

  • [Remarks] 神戸大学大学院人間発達環境学研究科教員紹介ページ

    • URL

      http://www.h.kobe-u.ac.jp/ja/staff/%E5%8E%9F%20%E5%B0%86%E4%B9%9F

URL: 

Published: 2022-12-28  

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