2023 Fiscal Year Research-status Report
家畜飼養と食肉習慣の変容から見るブータンにおける「食の主権」の構築
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19K20559
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 舞 京都大学, 経済学研究科, 特定助教 (30782297)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アグロエコロジー / 食の主権 / コモニング / ブータン / 日本 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はブータン国家主導の有機農業政策や現実的な近代化政策との合間におかれた小規模家族農家がいかに柔軟にそれに対応しているかを実証的に辿り、家畜飼養と食肉習慣の変容に焦点を当て、よりアグロエコロジカルな食農体系がどのように築かれうるかについて考察することを目指している。
本年度は、夏にやっとブータンへの現地フィールド調査が実現した。コロナ禍で状況が色々変わっている中、現状を確認するための調査を中心に農家やマーケット訪問を行なった。また、「食の主権」を主眼に置いた政策提言を米国で初めて行なった自治体の訪問も行なった。その成果として論文を現在執筆中である。 出版物としては、主に「アグロエコロジー」の翻訳本の出版などを中心に出版することとなった。
「食の主権」研究の多様な表現を追求する研究の一環として、Australasian Agri-Food Research network Conference 2023にて「Exploring practices of Quiet Food Commoning through Unattended Food Stalls in Japan」と題するものと、国際コモンズ学会2023 にて「Landscape Renewal Through Community Value-Added Approaches」と題する国際学会における口頭発表を行なった。国内学会においては、日本生態学会に多いて「日本とブータンから考えるフードシステムの生態学」と題する発表を行なった。その他、ブータンでも有機稲作プロジェクトを進めてきた民間稲作研究所の公開シンポジウムにおいて、「アグロエコロジー」に関する講演を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
4年ぶりにやっとコロナ禍の規制が解除され、ブータンにおける現地調査を実現することができた。2021年度に収集したデータを用いて、コロナ禍を経たブータンにおいてどのように食習慣や生業の変化が見られるのかを改めて調べている。やっと本格的に現地調査ができるようになったため、時間を経たからこそ見られる変化を注視して研究をまとめていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き、これまでの調査で蓄積したデータの解析を進め、学術論文、編著本、及び超学祭的な多言語本の出版に向けた作業を進める。ブータンにおけるフィールド調査を再開することができたので、可能な限り現地に出向き調査を行いたい。コロナ禍で近隣諸国との物流が制限されていた影響からブータンにおける食料自給率向上に向けた取り組みを人種と社会的階級などを軸に調査を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍でブータンでの現地調査が4年実現できず、2023年度にやっと調査が一度のみ実現たため。
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Research Products
(5 results)