2020 Fiscal Year Research-status Report
A Study of the Effects of Tourist Attributes and Travel Forms on Tourist's Person Trips
Project/Area Number |
19K20573
|
Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
河内 良彰 佛教大学, 社会学部, 講師 (70804889)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 観光回遊行動 / 観光地の中心性分析 / 社会ネットワーク分析 / 有向グラフ / 観光モデルコース / 新型コロナウイルス感染症(COVID-19) |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、観光協会のウェブサイトに掲載されている観光コースの定量分析を行ったほか、コロナ禍を背景として観光に関する新聞分析やオンライン調査などを実施した。2020年1月より新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界的に顕在化、拡大し、当初計画した観光研究の方向性を大幅に修正することとなった。 まず、東北6県の県レベルの観光協会が推奨する観光モデルコースに関する分析を行った。「地域別」、「季節別」、「テーマ別」のいずれかの分類に基づいてコース編成され、1自治体当たり100前後のノードの抽出を目安に推奨される1回のコースを測った。県境をまたぐ広域観光コースの少なさや、北東北3県のモデルコースに紐帯があることを明らかにした。次に、大学生の旅行意欲と観光行動に関する調査研究に従事した。佛教大学の学生を対象に、2020年7月下旬から8月上旬にかけてコロナ下における旅行意欲と観光行動に関するアンケート調査をオンラインで実施した。アンケート調査を基に単純集計を行うとともに、デモグラフィックおよび旅行形態と関心の程度を5段階のリッカート尺度で測定したタイプ別観光とのクロス集計を試み、大学生の旅行意欲や関心領域、それらの特徴を詳細に検討した。さらに、京都観光に関する新聞の内容分析を進めた。2020年1月1日から7月31日までの『読売新聞』大阪朝刊京都府版の全ての見出しを分析対象として内容分析を行った。KH Coderを用いて語の使用頻度の順位、共起ネットワーク分析、コーディングに基づくクロス集計を行い、当該期間における新聞編成の傾向を把握した。このほか、コロナ禍の市民生活の動向について『読売新聞』東京朝刊岩手県版を内容分析して紐解いた。 また、旅行者の移動や集積の程度を定量化して旅行者がもつ集中や分散の度合いを計測する方法について、イギリスの科学誌『IMPACT』に掲載した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は、本研究課題に関する研究を予定通り遂行できなかった。現在までの達成度が遅れている理由は、コロナ禍の流行状況により緊急事態宣言が発令・再発令されており、様々な自粛や休業要請等に伴う観光地の停止状態による。
|
Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍の第4波に伴う緊急事態宣言が2021年5月現在、首都圏や京阪神などで発令されている。変異株の流行が懸念され、いまだ予断を許さない状況にある。本研究計画では、夏季に旅行者への対面調査を京都で予定していたが、観光を含む経済活動の多くが休業・休止していた。今後は調査時期について、また調査計画そのものについて慎重に検討する必要がある。Afterコロナの時代を見据えて、海外の観光ガイドブックが推奨する観光コースを定量的に把握し、回遊行動の分散と観光消費の促進に向けた知見の提供に努める。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍の世界的蔓延に伴い、インバウンドを含む旅行者への対面調査を取り止めた。調査や出張等の予定が相次いでキャンセルを余儀なくされたことにより、当該研究は2022年度まで延長して使用額が生じる予定である。未実施の旅行者への調査について、まずは当該感染症が落ち着くのを待ち、2019年までのように国内および訪日旅行者が観光地に戻ってきた段階で実施することとしたい。
|
Research Products
(6 results)