2023 Fiscal Year Research-status Report
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19K20575
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
大島 知典 立命館大学, 経営管理研究科, 准教授 (20801913)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 顧客満足 / 顧客価値 / 高付加価値化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、サービスマネジメントの視点から、旅館の体質改善に向けたマネジメント手法を明らかにすることである。2023年度の研究実績としては以下の2点を示す。 (1)報告者は2021年からゲストハウスを運営しながら宿泊施設の体質改善の可能性を模索してきた。宿泊業界の人手不足が深刻化する中で、一棟貸しの宿泊施設においていかに効率的な運営を行いつつも、高付加価値なサービスを実現することができるかを検証した。本実績については日本観光経営学会の年次大会で報告し、研究の改善に向けてのさまざまな示唆を得ることができた。その後、顧客満足を実現する上で、顧客とのコミュニケーションを通じて事前期待を管理することに焦点を当て、それが最終的な顧客満足や肯定的な口コミの投稿にどのような影響をもたらしているのかを調査した。 (2)宿泊サービスの高付加価値化について旅館を対象に調査を実施した。調査対象の旅館は、トリップアドバイザーのトラベラーズチョイスの上位に選ばれ、半年以上前からインバウンドで客室が埋まる予約の取れない旅館である。インタビューを通じて、開業当初の宿泊客は大半が日本人で、客室数が少な割に単価も安く厳しい経営状況であったが、2009年以降はエリアで増加の兆しにあったインバウンドをターゲットに定め、宿泊客同士のコミュニケーションを活発化させることで顧客価値を高めたことが明らかになった。本実績については、論文として投稿を終えており、掲載に向けた審査を行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
宿泊施設の体質改善の柱である効率化と高付加価値化のいずれについても、調査を通じてそれらの理論化に向けた貴重な示唆を得ることができた。ただし、コロナ禍による移動規制やその後の全国旅行支援による宿泊業界の繁忙でもともと進捗状況に遅れが生じていたが、今年度は自身が移籍したことによる授業準備や新専攻の設置に向けた準備のために研究時間を十分に確保することができず、研究成果としてまとめられていない状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度を最終年度とし、これまでの調査結果を研究成果としてまとめ、論文刊行および学会報告をする予定である。
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Causes of Carryover |
本来、予定していた論文投稿が間に合わなかったため、支払い予定の投稿費分の差が生じた。2024年度では論文投稿を行う。
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