2023 Fiscal Year Research-status Report
日比間の在留資格「興行」の成立と運用の解明―入国管理のジェンダー分析に向けて
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19K20580
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
大野 聖良 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 基幹研究院研究員 (20725915)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 興行 / 入国管理 / フィリピン / 移住女性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、在留資格「興行」の制度化と規制を取り巻くアクターの言説に注目し、移住女性のジェンダー・セクシュアリティを規定しながらそれらの言説が女性たちの移住労働を形成した過程を明らかにする研究であり、本年度はこれまでの研究成果を論文・学会報告等で発表することに注力した。 これまで、入管行政と招聘業界における「興行」をめぐる言説をそれぞれ分析し、個別に論文等で発表してきた。本年度は「ジェンダー化されたセキュリタイゼーション」という概念のもとこれまでの考察を再構成すべく、2つのアクターによる言説の関係性を分析し、外国籍女性による「興行」をめぐるポリティクスの解明について取り組んだ。それらの成果については、日本フェミニスト経済学会2023年度大会の招待講演や同学会学会誌での研究論文(掲載予定)にて発表されている。 また、本研究で得た知見を活かして、日本国際政治学会2023年度大会ジェンダー分科会にて、東南アジア諸国における「生殖ツーリズム」に関する研究について討論者として登壇し、他分野の研究者と研究交流を行った。フェミニスト経済学関係の教科書やハンドブックの翻訳を手掛けており、次年度出版予定である。 加えて、本年度はフィリピン等、国外の図書館においてフォローアップの資料収集を実施し、現在収集した資料内容を整理・検討している。具体的には、エンターテイナーに関する現地新聞報道の新たな資料とエンターテイナーの養成学校等で利用されたと考えられるテキストを収集することができた。これまでフィリピン社会の「興行」をめぐる言説分析は資料不足から分析途中であったため、今年度の調査は次年度の研究推進に有益なものであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はこれまでの研究成果を論文や学会報告等によって発信することができた。また、前年度は実施できなかった資料収集を今年度フィリピン等海外で行うことができた。調査によって本研究に有益な資料を得ることができ、現地の研究者ともネットワークを構築することができた。以上から、概ね順調に進展したと考える
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は今年度収集できた資料の分析を加えて、フィリピンのNGOやマスメディアにおける「興行」言説編成を明らかにし、論文や学会報告等にて研究成果の一部を発表したい。
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Causes of Carryover |
本年度は当初の計画通りに研究を遂行することができたが、2022年度に新型コロナウィルスに罹患したため、長期間国内外の調査を実施できなかったことが、今年度の使用計画(旅費、翻訳・録音反訳への謝金、印刷費等)にも影響を及ぼした。次年度は引き続き、論文投稿や国内外の学会発表を通じて研究成果を発信する予定であり、それによって生ずる、旅費や翻訳・英文校閲費、人件費として使用する。
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Research Products
(4 results)