2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K20588
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Research Institution | Reitaku University |
Principal Investigator |
佐藤 繭香 麗澤大学, 外国語学部, 准教授 (60433877)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 女性参政権 / 日本キリスト教婦人矯風会 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度(令和元年度)は、研究の基盤となる二次文献の収集、解読に注力した。その際に使用した主要文献は以下の通りである。 1.菅原和子『市川房枝と婦人参政権獲得運動-模索と葛藤の政治史』世織書房、2002年; 2.大獄秀夫『フェミニストたちの政治史:参政権・リブ・平等法』東京大学出版会、2017年; 3.菅原和子『市川房枝と婦人参政権獲得運動-模索と葛藤の政治史』世織書房、2002年; 4.日本キリスト教 婦人矯風会『日本キリスト教婦人矯風会百年史』ドメス出版、1986年; 5.Hiroko Tomida and Gordon Daniels, eds., Japanese Women: Emerging from Subservience 1868-1945, Global Oriental, 2005. 一次史料の収集に関しては、日本にイギリスの女性参政権運動を紹介したガントレット恒子(1873-1953)の関わったキリスト教婦人矯風会関連の史料収集のため、日本キリスト教婦人矯風会本部を訪問した。久布白落実(1882-1972)に関する資料も閲覧させていただいた。また海外の調査では、ガントレットも関わった国際女性参政権連盟(International Women’s Suffrage Alliance)の関係者であるCarrie Chapman Catt (1859-1947)文書とRosika Schwimmer(1877-1948)文書の一部、国際女性参政権連盟の年次報告書をニューヨーク市公立図書館で閲覧し、解読した。ガントレット恒子と国際女性参政権連盟の関係にいては研究論文にまとめることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、英国の矯風会関連の史料、またマンチェスタ大学のアーカイブにある国際女性参政権連盟の史料調査、日本では自由学園資料室や婦選会館等での調査も行う予定であったが、校務との関係で調査研究の機会を設けることができなかった。英国での調査はやや長期を計画しており断念したが、代わりに本来は2年目に考えていた短期のニューヨーク市公立図書館での調査を前倒しにして行った。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目は、1年目の研究成果を整理し、研究の対象をさらに拡大する。特にガントレット恒子をきっかけとし、女性参政権 への関心を受け取ったWomen's Christian Temperance UnionやYoung Women's Christian Associationに所属するメンバーにも研究対象を広げ 、彼女らとInternational Women's Suffrage Alliance(IWSA)を始めとした海外の組織や人物とのネットワークを明らかにしたい。日本では、国家図書館、津田塾大学図書館、キリスト教女子青年会の本部等で史料収集にあたり、また、そうした女性たちとアメリカとの関係にも着目していく。すでに、ニューヨーク市の公立図書館での調査によってIWSAで活発に活動したキャリー・チャップマン・キャット文書は閲覧しており、その解読を進めたい。新型コロナウィルス感染拡大の影響により、史料調査や研究発表等の学会活動がどこまでできるのかが予定が立たない部分があるが、図書館やアーカイブが開かれ次第、調査を再開していく。
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Causes of Carryover |
資料調査をした際に、アーカイブでの資料閲覧の際の資料閲覧のコピー代、資料の撮影代が必要なかった。2020年度は、また異なるアーカイブでの資料調査を予定しており、そこでの資料閲覧の際のコピー代、撮影代等にあてる予定である。
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