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2019 Fiscal Year Research-status Report

チリ先住民マプーチェの女性運動の歴史と現在―ジェンダーとエスニシティの視点から

Research Project

Project/Area Number 19K20589
Research InstitutionRikkyo University

Principal Investigator

柳原 恵  立教大学, 文学部, 特別研究員(日本学術振興会) (80837253)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywords先住民 / 女性運動 / 第三世界フェミニズム / ポストコロニアルフェミニズム / ラテンアメリカ / チリ / ライフストーリー
Outline of Annual Research Achievements

近年、南米チリ共和国の先住民マプーチェの女性たちが中心となり、先住民女性が置かれた複合的な差別状況を変革しようという動きが現れている。本研究は、「マプーチェ・フェミニズム」と呼ばれ始めたこの新しい女性運動とその担い手たちに着目し、その思想と活動の内実をジェンダーとエスニシティの視点から明らかにすることである。1年目にあたる本年度は、予備的調査としてチリの首都サンティアゴにて実施したインタビューの書き起こし(スペイン語、一部マプーチェ語)を翻訳、整理、分析した。6月下旬にはマプーチェ女性のライフストーリーをもとにした研究発表を行った。また、推薦人を得て国際ジェンダー学会、日本ラテンアメリカ学会に入会し、発表機会の拡大および知見と人脈を広げることを目指した。学会大会やサンパウロ人文科学研究所主催のシンポジウムにも参加し、ラテンアメリカ研究に関する最新の研究状況を調査した。
昨年までのチリ滞在で縁を得た国立チリ大学の研究者らとは、チリにおけるマプーチェ研究の最新動向についてメールで意見交換をした。チリ大学学生とともに、南部の先住民人口比率の高い地域で現地調査をする方針も立てられた。さらに、日本において数少ないマプーチェ研究を専門とする研究者との意見交換の機会にも恵まれ、今後の研究への協力が得られたことも大きな収穫であった。また、専門家以外を対象とした雑誌や新聞への記事の寄稿も積極的に行った。
夏には現地へ渡航し、サンティアゴおよび南部州でのインタビュー調査と文献調査を予定していたが、渡航直前に急病で緊急入院したため、中止せざるを得なかった。退院後も療養のため研究を中断した。このため、現地調査の他に、夏以降に計画していた学会発表(採択済み)と論文の執筆・投稿についても取りやめることとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

上述した通り、私自身の予期せぬ病により、6月下旬以降、本研究を満足に進めることができなかった。当初の計画では、研究会での発表のほか、現地調査、学会発表、論文投稿を予定していたが、実施できたのは研究会での発表1件のほか、雑誌や新聞への記事の寄稿にとどまることとなった。
本年度中に親交を得た日本およびチリの研究者らの協力によって、計画以上に進展する見込みであった現地調査についても、甚だ残念ではあるが断念せざるを得なかった。

Strategy for Future Research Activity

来年度は、まず初年度に予定していた論文の執筆および投稿を行いたい。医師の許可が下りれば、チリ共和国での現地調査も再度計画する。しかしながら、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、渡航および現地調査を再開できるのがいつになるか、見通しが立たない状況である。
そこで、現地調査に代わるものとして、ICT技術を活用したオンライン調査を検討している。具体的には、オンラインで入手可能な文献調査、パンデミックを受けてオンライン上で活発化しているマプーチェ・フェミニズムに関する活動調査、ビデオ電話システムやチャット機能を活用したライフストーリー・インタビューである。とくに、これまでのライフストーリー・インタビューは、語り手と聞き手が対面であること、つまり時空間を共有しながら、ある人が語る人生についての語りを傾聴することに重きを置いてきたが、このような社会状況を踏まえると、新しい方法論を模索せざるを得ない。先行するWeb活用型の研究(他分野も含む)の調査を行った上で、実施に漕ぎ着けたい。

Causes of Carryover

上述の通り、急病により現地調査を中止したことが大きな理由である。
次年度使用額は、再計画した調査に関する費用およびこれまでに実施したインタビューのうち、整理が終わっていないデータの書き起こし等に使用する。

Remarks

柳原恵「世界は今 チリ 観光産業は誰のため 欠かせない住民の視点」『岩手日報』(2019年4月23日4面)

  • Research Products

    (4 results)

All 2020 2019

All Journal Article (3 results) (of which Open Access: 2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 「新自由主義はチリで生まれ、チリで死ぬ」―南米チリ・反政府デモの背景2020

    • Author(s)
      柳原恵
    • Journal Title

      別冊・おなご

      Volume: - Pages: -

  • [Journal Article] (Book Review) Pedro Iacobelli and Hiroko Matsuda (eds.), Rethinking Postwar Okinawa: Beyond American Occupation2019

    • Author(s)
      Megumi Yanagiwara
    • Journal Title

      Revista Historia

      Volume: 52-I Pages: 253-257

    • Open Access
  • [Journal Article] グローバルアイ〔第47 回〕チリ共和国サンティアゴでの在外研究の経験2019

    • Author(s)
      柳原恵
    • Journal Title

      人工知能

      Volume: 34(4) Pages: 583-586

    • Open Access
  • [Presentation] 都市に住む南米チリ先住民マプーチェ女性と“先住民フェミニズム” ―ジェンダーとエスニシティの視点から2019

    • Author(s)
      柳原恵
    • Organizer
      ライフストーリー研究会6月例会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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