Gender Comparison of Employment Gap and Career Awareness among Chinese High-skilled Workers in Japan

2019 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 19K20592
• Research Institution: Waseda University
• Principal Investigator: 張 潔 早稲田大学, 国際学術院(アジア太平洋研究センター), その他(招聘研究員) (00804204)
• Project Period (FY): 2019-04-01 – 2021-03-31
• Keywords: 高度労働者 / 外国人 / 雇用格差 / キャリア意識 / ジェンダー

Outline of Annual Research Achievements

本研究は、国際労働市場研究と異文化適応研究を結びつけ、男女比較の視点からニューカマー高度労働者の雇用安定性および適応感を検討し、男女間の雇用格差およびキャリア意識の差を解明することを目的としている。したがって、これまでとは異なる方法論を用いることにより、国際労働市場研究と異文化適応研究の2つ研究に共通のプラットホームをつくりだすことができる。さらに、本研究を通じて、日本社会における移民の経済力の活用促進への示唆が示されることが期待できる。2019年に、本研究は量的調査と質的調査を併用して「高度外国人労働者」の基準を検討した。具体的には、量的調査方法を用い、日本企業における外国人労働者の就労状況を分析した。また、量的調査から生じる問題点を基づいて質的調査項目を設計し、中国系ニューカマー高度労働者に対してインタービューを実施した。インタビュー内容としては、日本企業で働いている中国系ニューカマーを対象とし、日本移住後の自己定位、仕事状況およびキャリア意識を調べた。信憑性の高い質的データを得るため、一般的なフィールドワークのグループ調査やメールインタビューとは異なり、各調査対象に対して数か月をかけて信頼関係を築いた上で一対一のインタビューを実施した。そして、客観的視点および調査対象者の主観的な視点の両方に基づき、外国人高度労働者の賃金、職種、昇進機会および仕事満足度を男女別に検証し、人的資本や社会資本などの要素を含めた分析によりそれらの要因検証を行った。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究では、雇用格差とキャリア意識の関連をジェンダー格差と異文化適応の視点から総合的に分析する目的を達成するため、初年度については次のステップを計画した。１．量的調査データ分析:量的調査データを利用し、中国人を含む高度外国人労働者の職種、昇進機会や賃金格差レベル、さらに仕事満足度や企業に対する印象と要望およびそれらの決定要因を男女別に検証する。２．質的調査項目の設計:量的調査の結果を過去の研究結果と照合し、明らかにされていない問題点を確定して質的調査項目を設計する。質問項目は、基本設問(各対象の個人経歴、人的資本、社会意識など)と、雇用状況や仕事満足度に関する設問(ジェンダー差および仕事意識)の2つに大別される。３．インタビューによるデータ収集:日本企業で働いている中国系ニューカマーを対象とし、日本移住後の自己定位、仕事状況およびキャリア意識を調べる。
2019年に、本研究はおおむね計画通りに進められた。まず、量的調査方法を用い、日本企業における外国人労働者の就労状況を分析した。また、量的調査から生じる問題点を基づいて質的調査項目を設計し、中国系ニューカマー高度労働者に対してインタービューを実施した。インタビュー内容としては、日本企業で働いている中国系ニューカマーを対象とし、日本移住後の自己定位、仕事状況およびキャリア意識を調べた。信憑性の高い質的データを得るため、一般的なフィールドワークのグループ調査やメールインタビューとは異なり、各調査対象に対して数か月をかけて信頼関係を築いた上で一対一のインタビューを実施した。そして、客観的視点および調査対象者の主観的な視点の両方に基づき、外国人高度労働者の賃金、職種、昇進機会および仕事満足度を男女別に検証し、人的資本や社会資本などの要素を含めた分析によりそれらの要因を検証した。以上、当初の計画通り、研究を進めることができた。

Strategy for Future Research Activity

今後は、前年度まで収集されたデータを検討および分析を続き、調査データに問題点や不足がある場合個別の調査対象者に連絡し、必要に応じて二度インタビューを行う。また、研究結果を明確化となり、特に男女比較を基づいて賃金格差、昇進機会や職場関係の検証や定住化傾向およびキャリア意識の男女差の解明を行う予定である。さらに、研究成果の整理と発信を進む予定がある。原計画では、研究成果を国内および海外の学会で口頭発表ですが、現在コロナの影響を受け、海外学会での発表を保留となり、国内学会発表も検討中となった。そして、研究成果に基づいて学術論文を作成し、次年度にジャーナルへの投稿する予定となる。

Causes of Carryover

次年度には、研究結果を明確化するため、主にデータ分析、論文作成や投稿を行う予定である。そのため、データ分析結果を検証するためにソフトを続いて用い、データ整理のため印刷作業も行う。原計画では、次年度で学会発表もあるが、現在コロナ影響のため次年度の学会発表を保留となってある。そして、研究論文作成に集中すると考え、論文校正や投稿に係る費用発生に従い、次年度使用額が生じる予定である。