2019 Fiscal Year Research-status Report
「プラットフォーム」を通じた地域課題へのアプローチ
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19K20636
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
吉見 憲二 佛教大学, 社会学部, 准教授 (10570054)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | プラットフォーム / 聖地巡礼 / 地域活性化 / 資源化プロセス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は6月に静岡で開催された日本情報経営学会第78回全国大会にて「聖地巡礼のプラットフォームに関する一考察」というタイトルの発表を行った。これは複数の聖地を横断的、体系的に扱うプラットフォームとして、間野山研究学会と一般社団法人アニメツーリズム協会を題材とし、比較したものである。間野山研究学会は研究者やアニメ制作会社のスタッフ、地方自治体の職員等を中心に発足したものであり、一般社団法人アニメツーリズム協会はコンテンツホルダーや旅行・観光業の企業が会員の多くを占めているなど組織の構成や方針において大きな違いが見られている。先行研究を踏まえて、「プラットフォーム化」と「ルール化」の観点から検討したところ、リソースの共有は進んでいるものの、行動指針の共有までは観察されなかった。ただし、両プラットフォームともに発足したばかりであるため、今後の追跡調査によってプラットフォームの成否を決める「ルール」の要因について明らかにすることを目指している。 なお、当該の発表の場で、「プラットフォーム」に関する解釈や先行研究が分野ごとに細分化している旨の指摘を受けたため、訪問調査の予定を先送りし、幅広い分野の関連研究の調査を優先的に実施した。そうした整理を踏まえて、年度末に残りの対象に関して訪問調査を実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響を受け、ほとんどすべての出張予定がキャンセルを余儀なくされてしまった。特に地域関連の調査に関しては、新型コロナウイルスの問題が落ち着くまでは実施が困難となることが予想されるため、当面は文献調査を中心に提案モデルの検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
さまざまな学問分野におけるプラットフォーム理論の適用状況に関する整理については順調に進んでいたが、そちらを踏まえて年度末に予定していた訪問調査が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴う影響により実施困難となったため、以降の研究が停滞している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が落ち着くまでは研究再開が難しい見通しである。オンラインでの調査等も考えられるが、対象となる活動自体が休止しているところも多く、調査時期については慎重に検討する必要がある。他方で、新型コロナウイルス禍を乗り越えるための活動につなげている事例も見られているため、プラットフォームの存在がリスク対応においてどのような働きを行ったかについても事後的に把握を行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響を受け、年度末に予定していた出張予定がキャンセルを余儀なくされたため、次年度使用額が生じることとなった。未実施の訪問調査に関しては、感染症の状況が落ち着いてから改めて実施する予定である。
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Research Products
(1 results)