2019 Fiscal Year Research-status Report
A Study for Cataloging Works for Video Games
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19K20637
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
福田 一史 立命館大学, 先端総合学術研究科, 授業担当講師 (00723785)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | メタデータ / Linked Open Data / ビデオゲーム / IFLA LRM / デジタルアーカイブ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ボーンデジタルであり伝統的図書館資料と異なる特性を有する資料であるビデオゲームを対象に、その著作目録の構築・公開を目指す。そのため、2019年度の活動では、著作目録仕様の仮策定、また書誌データの作成を進めた。 まず実施したのが先行研究の調査である。さらにそれと平行して、所属機関である立命館大学ゲーム研究センターの所蔵品であるビデオゲームをサンプルとし、ゲーム作品の特徴の分析を行った。また同分析では、既存のゲームのメーカーやゲーム情報メディアなどが発行する目録や、「Wikidata」やビデオゲームのウェブデータベースである「Mobygames」などのメタデータを提供するウェブサービスなどの、記述項目やデータ提供方法、さらには先行するビデオゲームのデータモデル、メタデータスキーマ、オントロジーなどについて調査を実施した。その上で、これらの調査結果に基づき、著作目録の仕様を策定し、ゲーム資料や作品を記述するための概念モデルを検討した。さらに、より具体的な仕様は記述セットプロファイル(DSP)と独自語彙を定義するオントロジーファイルとして定義し、これらを公開した。 同分析を通じて、著作ならびに表現形のデータ仕様の仮策定を行った。さらにその仕様に沿って試験的なデータ作成を行った。とりわけ著作のデータについて、Wikidataのビデオゲームのデータの一部を著作典拠として用いる上での有用性を検証し(Fukuda 2019)、実際にそこに登録されるメタデータを用いた。また、ここで生成されたデータを公開するためのオンライン目録システムを開発した(福田 et al. 2019)。 研究成果として、今年度は国際学会予稿集論文2件(うち査読付き1件)、国際学会ワークショップ企画/発表2件、国内学会発表4件(うち査読付き1件)、機関レポート8件を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度の活動では、データ仕様の策定、書誌データの作成、書誌データの公開システムの開発などを実施した。 データ仕様については、前述の通り調査を実施したところである。書誌データについては、前述の仕様に沿って著作のメタデータ作成を実施するために目録作成マニュアルを作成した。また、著作データの典拠として、Wikidataに登録されるビデオゲームのデータを部分的に用いることとした。またそのためのデータの検証を実施し、その有効性を検証/確認した(Fukuda 2019)。さらに、Wikidataのデータで不足するものに関しては、目録作成マニュアルに従い、データ作成を実施した。本施策を通じて、各属性については不足があるものの、所蔵品のほぼすべてについて作品データを作成し、所蔵品の書誌と関連を確立することができた。 ここで作成した書誌データは、開発を進めているオンライン目録において公開を実施している。同システムは、Omeka Sを用いて開発を継続的にすすめている。また、前述のDSPに従い書誌データのLinked Data化のためのコンバータを開発した。同コンバータにより、作成した書誌データはLinked Dataに変換済みであり、SPARQLエンドポイントとして公開されている。 このように、書誌データの仕様策定・作成・公開などで大きく進展があり、計画全体は順調に進展している。今後、次項でより詳しく述べるところであるが、それらの有効性検証および改良のためのユーザ調査などが課題となる。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度までに作成・構築した、メタデータセットとその公開システムを用いて、ビデオゲームの資料と著作を記述するためのメタデータの仕様と、メタデータの閲覧・検索・分析のためのウェブシステムについて評価を実施する。調査方法としては、質問票調査やフォーカスグループに対するインタビューまたワークショップによる専門家の要求調査などを想定しているところであり、その具体的な方法を検討している。これらの調査を通じて、要求や要件を明確化し、メタデータスキーマや公開システムの完成度向上を実現することができるものだと考えている。
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Causes of Carryover |
目録作成(メタデータ作成)の一部について、一部自動化のシステムを構築したことで、大きく削減することができた。また新型コロナウィルスの影響により、年度末の時期の出張を行う事ができなかったことも、その要因である。 次年度使用額の使用計画としては、以下の2点を想定している。1) オンライン目録システムが想定より前倒しで公開できたため、その維持管理費に充てる。2) データ作成の人件費ならびに追加の作業用PCなど機器購入費とする。 全般的な計画の進捗状況に問題はなく、これらの対応により順当に計画を進めることができると考えている。
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Research Products
(14 results)