2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of proton CT system with sub-millimeter spatial resolution for treatment plan for particle therapy
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19K20657
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 香津生 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 助教 (20780860)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 粒子線治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
粒子線治療はX線治療に比べて、特定の深さで高い放射線量を放出するブラッグピークと いう特徴があるため、副作用の低い放射線治療として注目されている。この特徴を最大限に生 かすために粒子線治療前に照射部位に合わせた照射条件を決めておく治療計画が必要があ るが、臨床現場ではX線CTから得られる体内の断層データを元に行われている。 本研究ではサブミリ空間分解能での粒子線治療計画を達成するために、陽子線CTから、電子密度分布を再構成し治療計画を作成し、その治療計画に基づいた照射による線量分布の精度を3次元ゲル線量計を用いて評価を行う。これらの装置開発はそれぞれ国際的に盛んに行われているが、全体を統合して実際のシステムを用いた際の治療における線量分布評価までが行われた例はない。このことが未だに臨床現場で陽子線CTが用いられていない原因の1つと考えられており、この線量分布を直接評価することが本研究の主要素となる。本目的に向けた1年目となる2019年には二次元位置検出器に基づいたファントム中での陽子飛跡情報から電子密度分布を再構成するための計算コードパッケージをMLP(Most Likely Path)法をベースに開発した。また、本コードをモンテカルロ法による飛跡シミュレーションとしてGeant4を用いて評価を行い、100um程度の分解能をもつ位置検出器のデータを用いて、簡易的なモデルにおいて1mm以下の精度でファントムの構造を決定できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで3次元ゲル線量計の開発及び線量分布精度の評価はすすめられており、実際に陽子線飛跡からの電子密度分布を再構成にする際の検出器の分解能等に由来する決定精度が重要な要素となってくる。その中で汎用的に適用可能な計算コードの開発は当初の予定に基づいており、概ね順調な進捗といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
実際にゲル線量計を用いた3次元線量分布測定の直接評価の試験実験を行う。本測定に向けて位置検出器としてGEM検出器を用いる予定で、陽子ビーム実験に合わせたガス圧・電圧の最適化をすすめることで十分な位置決定精度による飛跡の取得が重要な要素となると考えられる。
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