2020 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ流体プローブによるオルガノイドの時空間的な分化制御法の開発
Project/Area Number |
19K20658
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
梨本 裕司 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (80757617)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | マイクロ流体プローブ / 局所刺激 / 走査型イオンコンダクタンス顕微鏡 / 三次元培養 / イオン電流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,部位特異的な分化誘導を実現するマイクロ流体プローブの創出を目的として行われた.細胞への刺激を精緻に行うため,探針-対象間の距離を制御する必要があった.このため,イオン電流をベースとした探針-距離制御を検討した.プローブを配置後,マイクロ流体プローブによる局所的な刺激が可能であるか,確認を行った.可動域の大きなXYZ自動ステージを用いた位置制御機構を用い,イオン電流を指標とした探針の位置制御を行ったところ,ミニ臓器モデルと呼ばれる,オルガノイドと同程度の大きさの細胞凝集体に対して正確に探針を配置することができた.位置制御の精度を示すものとして,イオン電流を利用して,スフェロイドの全体形状を捉えることに成功した.一方,導入口,吸引口の二つの流路を備えるマイクロ流体プローブを作製し,溶液の局所投与を行ったところ,導入:吸引の流量比が1:20程度で導入した溶液の拡散を抑制できることが示唆された.マイクロ流体プローブを用いて,局所的に細胞凝集体に染色を試みたところ,マイクロ流体プローブを配置した部位特異的に,細胞核を染色することができた.このことは,マイクロ流体プローブによる部位特異的な分化刺激を付与できる可能性を示唆している.一方,形態形成後の構造物の検出を目的として,モデル深部の血管の位置検出を検討した.イオン電流を指標として,モデルへの穿刺を行ったところ,イオン電流値の変化を指標として,血管の位置が特定可能であり,更に血管内腔の形状をマイクロメートルスケールで可視化することに成功した.さらに,電気化学的に探針内の油水界面を制御することで,モデル深部から細胞質を回収し,遺伝子発現の定量評価が可能であることを確認した.以上,イオン電流を指標として,組織モデルに対する探針の位置制御,局所刺激,さらには,モデル深部の構造体の検出,回収を実現するシステムを開発した.
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[Presentation] Morphological evaluation of hMSC osteogenic differentiation using scanning ion conductance microscopy2020
Author(s)
XUYANG, Zhang, NORIKO, Taira, TAKUO, Nakamura, YUJI, Nashimoto, HIROKI, Ida, YASUFUMI,Takahashi, KOSUKE, Ino, HITOSHI, Shiku
Organizer
第14回バイオ関連化学シンポジウム
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