2021 Fiscal Year Research-status Report
バーチャル心筋細胞の実現-機械学習による実形状モデル生成・統合解析・統計評価-
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19K20663
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
波田野 明日可 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (20707202)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 心筋細胞 / 機械学習 / 形状抽出 / 数値解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
畳み込みニューラルネットワークで電子顕微鏡画像に特化したCDeep3Mを利用して領域と境界を抽出後,画像処理を重ねることで、マウス心筋細胞電子顕微鏡画像からミトコンドリア・筋原線維を自動抽出することに成功した.横行小管についてはそのネットワーク構造のうち肥大化している部分の抽出には成功した。新しい1シリーズのSerial Block-Face scanning electron micrographyの画像群に対して、2,3枚の教師ラベルを用意し、ネットワークをGPU搭載マシンで1時間程度追加学習することで、90%以上の精度で形状を抽出できることが分かった。抽出した構造を用いて有限要素メッシュを作成し、必要な細胞内小器官の配置を適切に定める手法を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自動抽出した形状を用いて、マルチフィジックス解析の入力として足るメッシュを作成する手法を確立し、解析の準備が整った。具体的には、ミトコンドリア・筋原線維・膜・細胞質の情報を持つボリュームデータを元にテトラ要素に分割。横行小管の3次元再構築データ内にあるFEM節点に横行小管ラベル、筋原線維の外周FEM節点に筋小胞体ラベルと筋小胞体内拡散を取り扱うための三角形要素を用意。横行小管と筋小胞体が接する部分にJunctional筋小胞体のラベルを配し、入力データとした。
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Strategy for Future Research Activity |
実形状モデルを用いて,収縮のトリガとなる膜イオンチャネルによる電気現象・CaやATP等の反応拡散による収縮タンパクの活性化とミトコンドリアのエネルギー代謝を含んだ生理現象・微細構造内の物性分布を考慮した力学的変形を統合した解析を実現していく。実形状モデルとなることで、細胞内小器官に接する部分のCa濃度等が変化するため、正常な現象を再現するためにはモデルパラメータのチューニングが大きな問題となる。また計算時間が膨大となるため、反応拡散はこれまで陽的に解いてきたが、陰的な解法を導入することを検討している。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため予定より参加学会が少なくなり残額が生じた。次年度の国際学会発表等に利用する。
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