2021 Fiscal Year Annual Research Report
多重フッ素MR画像法によるタウオリゴマーの画像化とタウ病変進展機構の解明
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19K20670
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
加藤 智子 滋賀医科大学, 神経難病研究センター, 特任助教 (90754367)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / 神経原線維変化 / タウオリゴマー / タウイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
アルツハイマー病 (AD) や前頭側頭葉変性症などのタウオパチーと呼ばれる認知症疾患においては、異常にリン酸化されたタウ蛋白が神経原線維変化となって蓄積し、その度合いが認知症の進行度と強く相関することが知られている。また、ADではアミロイドオリゴマーが神経毒性と相関していると考えられているように、タウオリゴマーも毒性と関わっている可能性がある。 当研究室では、これまでにアルツハイマー病の神経原線維変化と結合する化合物として、Shiga-X34、Shiga-T12など数種類の化合物を得た。Shiga-X34は、ADの神経原線維変化のみならず、ピック病のタウ病変にも結合したが、ADの老人斑にも結合したことから、種々の異常構造に結合しうることがわかった。また、Shiga-T12はピック病の神経原線維変化とは結合せず、アルツハイマー病の神経原線維変化と結合することがわかった。そこで、Shiga-X34、Shiga-T12について、ヒト脳組織切片抗リン酸化タウ抗体や抗タウオリゴマー抗体との共発現を調べた結果、Shiga-X34とShiga-T12はヒト脳組織切片で抗リン酸化タウ抗体AT8と一部共存していた。さらに、Shiga-T12は抗タウオリゴマー抗体と一部共存していた。 また、フッ素MR画像法のために、Shiga-T12にフッ素を付けて合成したShiga-T13をタウ発現モデルマウスrTg4510に投与したところ、脳に入っていくことがわかった。しかし、脳でのフッ素MRIイメージングに必要な投与量は毒性も出やすいことがわかった。今後、毒性の少ない化合物を考える必要がある。
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