2019 Fiscal Year Research-status Report
デュシェンヌ型筋ジストロフィーの心電図異常が示す病態的意義の解明
Project/Area Number |
19K20673
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山本 哲志 神戸大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師 (50650892)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | デュシェンヌ型筋ジストロフィー / 心電図 / 18誘導 / 自然歴 / 心筋症 / 心臓超音波検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
科研費決定後直ちにアプリケーションの発注を行ったが、18誘導心電図のデータを心電図サーバーから取り出す専用アプリケーションの納入が9月末になり、研究が約半年遅れてスタートした。しかし、今回の対象となる件数が増加し、2007年8月から2019年9月までの期間で、6664件の小児科から依頼の心電図があった。そのうちデュシェンヌ型筋ジストロフィーに該当するのは1927件254症例であった。アプリケーション納入後、直ちに心筋の障害を表すQ波の電位、左室の同期不全の指標となるQRS時間などの詳細な1927件の計測値を専用のアプリケーショで抽出しCSVファイルに出力した。次に各年齢における心電図異常の出現頻度を算出し病勢の進行にともなう心電図異常の頻度、変化を年齢別に集計した。 その後、臨床データとの関連の検討を行うためデータ収集を行った。1)運動機能との比較を行うために歩行喪失年齢などのデータをカルテから収集した。2)心不全や心筋崩壊のマーカーとされているCK、CK-MB、BNPのほかに、貧血のマーカーである血球計算、肝機能、腎機能といった採血検査結果をカルテからピックアップし、同日に行った心電図検査に突合させた。3)心臓超音波検査結果の左室拡張末期径や左室駆出率などの収縮能指標に加え、拡張能指標もカルテから収集した。4)遺伝子解析が済んでいる患者の変異情報より、欠損アイソフォーム遺伝子変異タイプ別(欠失、重複、点変異点変異など)をカルテより調べた。最終的に遺伝子異常部位が判明し、心電図検査の同日に心臓超音波検査を実施した症例を抽出すると、1111件184症例であり、これを対象として検討を開始した。 検討に先立ち9/1-9/5第24回世界筋学会に参加し他施設の研究者の意見を聞いた。また、07/31と10/31に指導教授との面談も行い指導を受けている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
科研費決定後直ちにアプリケーションの発注を行ったが、18誘導心電図のデータを心電図サーバーから取り出す専用アプリケーションの納入が9月末になったため、更に遅れることが懸念されたが、比較的に操作性が良くその後のデータ収集がスムーズに進み、解析を行うためのデータクリーニングを行ない、約3ヶ月程度遅れて進んでいる。今後はコロナウイルスのため指導教授との面談が行えず、今後の活動に支障が出るためオンライン会議の導入を検討中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
解析の方向性の確認を指導教授の指導を取り急ぎmailで仰ぐ一方で、多くの研究者とweb会議の導入も検討し進めて行く。
|
Causes of Carryover |
当初の予定から大きく遅れ発注から6ヶ月かかってしまったことで日本光電社から特別割引として4万円、またノート型パソコンの半年購入が遅れた為に当初購入予定していたPanasonic社製のノート型パソコンよりも、安価で高性能なFujitsu社製ノート型パソコンが発売された差額が7万6千円、遅れのために印刷量が少なくプリンターのインク代が1万円程度使用していない為に、12万6千円の差額が生じた。差額はコロナウィルス対応のためにWeb会議導入の費用として予定しており、それによって現在の遅れを取り戻す予定にしている。
|