2019 Fiscal Year Research-status Report
Characterization of polydactyly-derived chondrocyte sheets using cell surface markers
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19K20680
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
高橋 匠 東海大学, 医学部, 奨励研究員 (80783654)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 細胞シート / 変形性膝関節症 / 再生医療 / 軟骨細胞 / 多指症 |
Outline of Annual Research Achievements |
多指症手術時の廃棄組織から得られる軟骨細胞は幼若で増殖性に優れており、軟骨再生医療の細胞ソースとして有力な候補である。その一方、多指症由来軟骨細胞は間葉系幹細胞や成人膝軟骨細胞とは特性が異なり、その特性は明らかではない。また、軟骨細胞は継代培養時に軟骨特性が徐々に失われることや、これまでの研究から多指症由来軟骨細胞はドナーにより硝子軟骨形成能が変動することが分かっている。そこで本研究では、変形性膝関節症の根治的治療を目標とした多指症由来軟骨細胞シート(PDシート)の実用化と安定供給を実現するため、多指症由来軟骨細胞の細胞表面マーカーを解析し、軟骨再生治療効果の高い細胞集団の同定を目的としている。 2019年度は、7ドナーから作製したPDシートの細胞表面マーカーを網羅的(242ターゲット)に解析し、陽性率および蛍光強度により評価した。また、それぞれのPDシートの硝子軟骨形成能を3次元培養法によりin vitroで評価し、細胞表面マーカーの陽性率および蛍光強度との相関解析を行った。その後、相関解析により絞り込んだ細胞表面マーカーのバリデーション試験を新たな16ドナーのPDシートで実施し、その結果、正の相関を示す10個の細胞表面マーカーおよび負の相関を示す10個の細胞表面マーカーをマーカーセット候補として同定した。現在、同定したマーカーセット候補の中から2つの分画に分離可能なマーカーに着目し、セルソートと特性解析を実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞表面マーカーの網羅的解析は終了し、相関解析によりマーカーセット候補の同定を完了した。複数のマーカー候補が同定されたため、2つの分画へ分離可能なマーカーの解析を現在優先的に進めており、2020年度前半にはin vivo評価へと進む予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、同定した細胞表面マーカー候補を用いたセルソートを実施し、高い有効性を示すPDシートの作製を目指す。また、PDシートの有効性を保つことが可能な継代培養法を検討する。マーカーセットや新たな継代培養法を用いて作製した高い有効性を示すPDシートを選定し、異種同所性移植モデルを用いたin vivo評価を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
抗体をまとめて購入し予想より値引きされたため、残金は次年度の動物実験に用いる。
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Remarks |
東海大学における細胞シートによる軟骨再生医療
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