2019 Fiscal Year Research-status Report
The elucidation of therapeutic effect on neural regeneration by neural cell transplantation
Project/Area Number |
19K20681
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
村山 正承 関西医科大学, 医学部, 講師 (60737675)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 認知症 / iPS細胞 / 神経細胞移植 / 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
アルツハイマー型認知症は変性したタンパク質の蓄積を伴った神経細胞の脱落により、情報伝達に障害が生じる中枢神経疾患である。その治療には薬物療法・運動療法・音楽療法などの対症療法が用いられるが、未だ根治療法は確立されていない。認知機能の回復には損傷した神経細胞が回復し神経回路が再構築することで情報伝達が正常に行われる必要がある。そこで、iPS細胞を用いた再生医療技術の理解はアルツハイマー型認知症の治療法確立に重要となる。 本研究では、ヒトiPS細胞由来神経細胞移植による認知機能の改善における神経回路再構築および作用機序の解明を目的とする。 2019年度研究計画では、アルツハイマー型認知症疾患モデルマウスおよびヒトiPS細胞由来神経細胞を用いた脳神経細胞の再構築に焦点を当て研究活動を実施した。iPS細胞由来神経細胞を認知症モデルマウスに移植することで認知機能が改善することを見出しているが、移植した神経細胞が情報伝達物質である、アセチルコリンおよびGABAを産生することを明らかにした。また、これらの神経細胞を認知症モデルマウスの神経損傷部位、海馬周辺に移植することで、移植した神経細胞と損傷せずに残っていた神経細胞により神経回路が再構築することを見出した。これらの成果から、iPS細胞由来神経細胞移植により認知機能が改善した脳神経では移植した神経細胞により神経回路が再構築されていることが明らかとなった。これらの研究成果より、神経細胞を用いた再生医療はアルツハイマー型認知症において重要な治療方策であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では神経細胞移植による神経回路の再構築の可視化が主目的であったが、本年度の研究活動にて大きく進展した。来年度は神経細胞移植による認知機能改善とその他の症状の関連についても解明する。
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Strategy for Future Research Activity |
アルツハイマー型認知症では認知機能障害などの中核症状と不安・うつ症状などの周辺症状が認められる。そこで神経細胞移植にて認知機能改善の認められた疾患モデルマウスの認知機能および周辺症状との関連を解明する。
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Research Products
(19 results)
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[Journal Article] Transplantation of Human iPS Cell-Derived Neural Cells with an Artificial Nerve Conduit Leads to Cellular Retention in the Transplanted Area and Improves Motor Function in a Mouse Spinal Cord Injury Model2019
Author(s)
Tomochika K, Arimitsu N, Murayama MA, Hirotsu C, Nagata K, Takai K, Shimizu J, Akazawa T, Torii Y, Umehara T, Iinuma M, Niki H, Suzuki N.
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Journal Title
Journal of St. Marianna University
Volume: 10(2)
Pages: 27-37
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] インテグリン関連疾患治療薬開発に向けた薬剤スクリーニング法の開発.2019
Author(s)
Ikeda Y, Kondo N, Takeda H, Makita Y, Fukunishi Y, Ueda Y, Sato K, Murayama M, Ma B, Isaka Y, Kawai K, Mashimo T, Kamioka Y, Araki M, Omote M, Kinasi T.
Organizer
第10回スクリーニング学研究会
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[Presentation] 完全離断精髄損傷マウスモデルに対する神経再生誘導チューブ併用ヒトiPS細胞由来神経幹/前駆細胞移植の検討.2019
Author(s)
友近顕, 有光なぎさ, 廣津千恵子, 高井憲治, 村山正承, 赤澤努, 梅原亮, 飯沼雅央, 清水潤, 仁木久照, 鈴木登.
Organizer
第34回日本整形外科学会基礎学術集会.
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[Presentation] 生物に普遍的に存在する分泌型リボヌクレアーゼ遺伝子欠損マウスの表現型解析.2019
Author(s)
王辰, 角田茂, 小川哲弘, 岩本京夏, 餅井眞太郎, Desamero Mark Joseph, 藤井渉, チェンバーズ ジェームズ, 内田萌菜, 村山正承, 小川修平, 米澤智洋, 中山裕之, 岩倉洋一郎, 久和茂.
Organizer
第84回日本インターフェロン・サイトカイン学会学術集会
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[Presentation] 普遍的リボヌクレアーゼのin vivo機能解析.2019
Author(s)
角田茂, 小川哲弘, 藤井渉, チェンバーズ ジェームズ, 王辰, 餅井眞太郎, Mark Joseph Desamero, 岩本京夏, 内田萌菜, 村山正承, 小川修平, 米澤智洋, 中山祐之, 岩倉洋一郎, 久和茂.
Organizer
第9回オルソオルガノジェネシス検討会
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